そう、昔・・・。夕方になるとガキ大将が呼び集めた。
「隠れん坊するもの寄といで」と。
「じゃんぽんよ」と言って鬼を決めるのがルールだったが、大体は一番弱いものが鬼にされた。目隠しをされ、「もういいよ」というガキ大将の声がかかるまでは、その場にしゃがみ込んでいた。みんな一斉に隠れた。
「鬼」はやがて探し出す。それがひとわたり終わるとまた元に戻って・・・。
「一抜けた」と止めようとしてもやめさせてもらえなかった。遊びは日が暮れる頃まで延々と続けられた。
鬼は常に一番弱いものがされてしまっていた。
懐かしい昔の、子供の頃の話だ。
今、大人の間でも「隠れん坊」がガキ大将を中心にして流行っている。
ガキ大将の名前は「シンゾウ君」という。
隠れる、隠すが当たり前のこととして。
東電の云われる“隠ぺい体質”は全くと言っていいほど治らない。いくら暴かれてもまた隠す。
不都合なことはとにかく隠す。最近の汚染水漏れの問題。ホースに穴が開いていたというなんとも言えないお粗末さ加減。
開いた口がふさがらないどころではない。あきれる以外の何ものでもない。
あげく、高濃度の汚染水もタンクの中に混ぜていたという。
さすがにあの“鵺男”の田中原子力規制委員長も「マネジメントが出来ていない。汚染水に取り組む戦略的なものが見えない。かなり罪は重い」とコメントした。
悪く言わせて貰えば、再稼働へのマネジメントは出来ているのかとも言いたいし、東電を叱ってもどこからも矢は飛んではこないのだから“カエルの面にションベン”のようでもあるのだけれど。
良いここだけは隠さない。積極的にPRする。不都合なところはひたすら隠そうとする。
もう、この体質は抜けないのだろう。
これが「福島」の問題だけだと思っているのなら大間違いだ。東電の「杜撰さ」は、そのままこの国の「杜撰さ」と国際社会からは思われてしまっている。
信用を失っていくのだ。この国が。日本と言う国が。
ガキ大将は「アンダーコントロール」などと慣れない外国語を使って隠ぺいに手を貸しているが。
そして、またまた再燃した年金を巡るお粗末な事件。情報漏えい。それも隠されていた。担当の官僚は隠れん坊に必死だった。
第一次安倍内閣の時には「最後の一人まで探し出す」と大見得を切ったものの。それを言ったのは安倍だけではなかったかもしれないが。
「最後の一人まで取り戻す」と英雄を気取った拉致問題。同胞がいる地は今は、戦争予測相手国でしかない。
そして、安保法制を巡る数々の言動。明らかに「真意」を隠し、多言を弄し、他言を読み上げ、本音を隠し続けている。
戦争をしたい。戦争ごっこを始めたいという願望。
心ある「鬼」は、その隠れているところを知っている。しかし、見つけ出しても、また元からやり直そうとしている。
そう、この遊びの例えの鬼は「国民」なのだ。
この話は、一時好評を博した、現代の寓話のような広告コピーにもつながる。
「僕のお父さんは桃太郎という人に殺されました」というやつ。
鬼の子供が泣いて桃太郎に抗議するお話。
これを、桃太郎は安倍、鬼は国民と置き換えれば非常にわかりやすい。
ボランティアという名の桃太郎が鬼の子供の父親を結果殺してしまうという寓話。
嘘は嘘を重ねる。隠し事は新たな隠し事を作る。
「嘘をついたら閻魔さまに舌を抜かれますよ」と僕は親から教わってきた・・・。
心ある鬼よ、閻魔さまと手を結ぼうぜと冗談交じりに。
2015年6月4日木曜日
“チェルノブイリ”異聞
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