メルトダウン。原発被災の福島県としては他の例えにしても、あまり使いたくない言葉ですが。
言葉といえば・・・大飯をめぐる「暫定的」とか「限定的」とかいう曖昧な言葉の羅列。去年「念のため」などという曖昧な言葉を今更持ち出したくはないものの。
政治の中では取り決めごとに「玉虫色」って言葉がよく使われる。外交交渉でも。どっちにもとれるって意味で。
曖昧さ。それは日本文化の特徴でもある。曖昧さが醸し出す雰囲気をよしとした時代があった。例えば平安時代など。和歌などがその一つ。曖昧。それは一つの心地よさにも通じる。はっきり言わないことで、良好な人間関係を作るとか。
その曖昧さを巧みに使って行われている政治や社会。何があっても、その伝統的精神は失われていない。それが、今、この時代では、かえって“害”のなっているというのに。
政治のメルトダウン。それは永田町だけではなく地方政治においても然りかと。
政治は党内向けや政党同士の駆け引きだけに終始すべきものではない。しかし、今はまさにそれ。「国民」ということが頭から抜けているバカ者ども。
野田を擁護する気はないが、小沢にしても、いや、野田の小沢に対することにしても。
「国民不在」なんて素人くさいことを言う気はないけれど。
自民党。これも一体なんじゃい。ああ言えばこう言うの駄々っ子。選挙、選挙と谷垣は言うが、選挙して政権奪還出来るはずも無し。ただ手前勝手な理屈並べての良い年こいたガキ大将のよう。
電力不足と原発再稼働の、それこそこの事故が無かったことのような政治の進め方、
政権のよって立つ基盤が無い。無策に等しい。
暫定的。その言葉の意味するところがわかりながらも、それを理由に再稼働を渋々認めて見せる関西広域連合。
「いつまでも認めるつもりはない、2,3年も」と橋下は言う。原発は13カ月で定期点検に入るはず。
政治家の頭の中がメルトダウンしている。目先の“欲”の溶融されているとしか。
とにかく、今、政治が行うことは、電力不足の中でどうやって行くかということを考え示すことのみ。
原発がある限り、停止させても維持費はかかる。莫大な。増税の比ではない。カネくい虫のエネルギーとしか言いよう無い。
立地自治体の財政、そこに住む人たちの雇用を含めた生活問題が、再稼働を後押しする。いくら疲弊しようとも、いったん事あればその町が、村が自治体が、なくなるんだよ。福島で実証されている。
真に「ふくしま」を思うこころありせば、「ふくしま」の教訓に感謝し、被害者の苦悩を糧として、「ふくしま」を別のところにつくらなこと。それこそが政治の要諦。過去に経験に学ぶということが。
福島県の立地地域は、たしかに原発マネーでおいしい思いをさせてもらったかもしれない。いや、たしかにそうだった。美味しい生活は崩れる。村は消えた。5年は戻れないと今朝も富岡の人たちと話し合って来た。5年後。それも無理だろと腹の底では思っている。彼らは。
他の立地地域の人ももう目覚めるか諦める方を進める。事があれば追われるは必定なり。
村が無くなって「ムラ」だけが残っている。そんな事わかっているはずなのに政治家は・・・。
2012年6月3日日曜日
“チェルノブイリ”異聞
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