NHKは時々、硬派ないい番組を作る。ETVも含めて。で・・・。
過日のNHKスペシャル。「MEGA QUAKE」。
あの日。3・11を境に日本は変動期に入ったという。地殻の変動。たしかにそうだ。きょうだって、昨日だって地震は、頻発している。
サブタイトルだったか、「最悪のシナリオに備えて」。う~ん、シナリオ・・・。地震に自然災害にシナリオ、脚本があるのかって。
番組は「3・11」によって日本列島に大きな地殻変動が起きており、首都圏直下型地震や富士山の大噴火がおきる可能性が高くなったというもの。
それを伝える手法に一部ドラマが使われている。
これが解せない。わかりやすく伝えるためにドラマの手法を使うというのは否定する話じゃないが、その番組での一部に挿入されているドラマが番組に完全に水をさしている。
保険会社の地震担当とかいう男が結婚申し込みに東京の下町の彼女の実家に行くという設定。そこで地震が起きて・・・。彼がその直下型地震の可能性や富士山噴火の解説をするという“シナリオ”。
意味無いんだな。これが。しかも、お母さんが「すぐ静岡の実家に電話しないと」と言って立ちあがった先にあるのが棚に据え置かれた黒電話。その手を押さえて彼が解説に使うツールがなんとタブレット端末。
このセットの小道具の使われ方の違和感。すっかり興ざめだったのです。
ありえないでしょ。黒電話とタブレット端末。小道具に見る40年の開き。そのしつらえがかえって番組の信憑性を阻害する。
一部ドラマ仕立てのドキュメンタリー。NHKが時々使う手法だけどその意図理解し難いのです。
テレビは「進化」を続けています。表現の手法も進化しています。CGはもとより、3Gにしたり、解像度は優れるなどなど。IT技術を駆使したテレビ報道。
でも、コンピューターグラフィックを使ったシムレーションなどの映像は、極端におどろおどろしい場合が多々。
映像だけについてでも、モノクロフィルムからVTRへ。カラーへ。そしてCGへ。瞬時に伝わる衛星回線。変遷を繰り返しながら進化するテレビ。
そんな中でもしかしたら演出家達は「大いなる勘違い」をしているんじゃないかと。
ツイッターとの“融合”も含めて、テレビの手法はメディア論の一つの科目としなければいけないのかも。
そして、テレビには、やたらとリポーターなるものが登場する。それにはおおいなる“演出”が伴っている。これも一つの流行りの「手法」か。
最近のオウムの逃亡犯報道。犯人の足取り追って日夜ああでもない、こうでもない。
「これだけテレビで報道すれば、完全に包囲網は縮まっています」。「容疑者は追い詰められています」・・・。
足取りを追って“探偵”気取り。防犯カメラの公開映像を繰り返し“解説”。
テレビの力を過信しているかのよう。容疑者は未だ捕まっていない・・・。
2012年6月12日火曜日
“チェルノブイリ”異聞
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