時は江戸時代。10代将軍徳川家治の頃。老中に田沼意次という方がおいでになりまして。その頃はまさに飢饉もあったりなんだかんだで、幕府の財政も逼迫。江戸の治安も乱れ・・・。てな世相。
しかるに幕府の中はというと、みんなやりたい放題。私腹を肥やすもの、その他とんでもない奴らが多々。身を切る努力もなんのその。その中心人物が田沼意次ってことに相成り、財政再建策も受け入れられず。ついに将軍さまより蟄居を命じられ。
逼迫した幕府の財政再建を図るために取られたのが徹底した節約、倹約。年貢お取り立ても厳しく・・。でも、明るい清廉な政治は功を奏さず。民の生活は困窮する一方。
江戸市中に流行った狂歌。「白川の清き流れに棲みかねて、元の濁れる田沼恋しき」。
史実に忠実な記述ではありませんが、面白くかいつまんで言うとそんなご時世。
なんか、今とどこか似てやいませんか。
民主党政権を清き流れというつもりもないし、自民党政権を濁れる沼とは申しませんが。
猿芝居の永田町政局。政治部記者が血道を上げる楽しい政局。
「国民のため」、「国民を守る」の与野党含めてのつまらぬ言いあい。必ず引き合いに出されるのが「マニフェスト」。守る、守らない。背信行為だ、なんだ、かんだ。
毎度申しておりますが、マニフェストなんて・・・。画に書いた餅。あれを信じた、あれの中味を善しとした“国民”が何人いたか。
濁れる田沼に飽き飽きした人たちが、何かが変わるだろうと期待しただけの一票。あのマニフェストなんて、画に書いた餅どころか、画に書いた毒まんじゅう。まともにやられていたら、食中毒起こすとこだった。
今更持ち出さないでよ。賞味期限の切れた毒まんじゅうを。テーブルの上にあげるなよって。
知人が時々郡山から楢葉に行っています。道の駅に設けられた、一時帰宅の人の受付に。その“関所”で、自分の家に帰るのに関所に“手形”出して、測定機持たされ、荷物を取りに。これって、きょうも、今も続いている光景なんです。家に帰るのに関所の人に頭下げて礼を言って・・・。
「帰る時の、出る時のあの悲しそうな眼や姿を見ていると涙が出る」。受付の手伝いに行っている知人はそう言っていました。名残惜しそうに振り返る姿には、他人事ながら、悔しさが込み上げてくるとも。
その“関所”には東電や経産省の人間も詰めているようです。奥の方に居て、被災者とはほとんど直接接しないとか。“関所”の顛末。聞いた範囲でも書き出せばきりがない。住むところを追われた人たちのことを。それに関わる人たちのことを。
この人たちを含めて、「賠償金」のことがもはや前面に。区域によって違ってくる賠償金のやり方。そして、誰がいうのか、立地地域の人たちは、これまで原発のお金でおいしい暮らしをしてきたっていう下衆根性。
だから彼らも悔いている。「毒まんじゅうを食らった」と。
原発のことはマニフェストにはもちろん書いてない。反増税と反、脱原発とは同期しているのか。
増税無くしてこの国は本当に立ちいかないのか。増税に代わっての経済成長戦略はあるのか。
毒まんじゅうは、まだまだ、あちこちにばらまかれているようでもあり・・・。
毒まんじゅう・・・。マニフェストには入っていなかっかけど、懐で温めていた、やはり毒入り団子なのだ。毒入り団子を食う羽目になる・・・。
2012年6月24日日曜日
“チェルノブイリ”異聞
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