昔、江戸時代、仙台藩に林子平という経世論家がいた。仙台藩主に経済政策や教育政策で提言するものの受け入れられず。禄を返上して諸国漫遊。多くの学者らと交わり、書いた本の一つが「海国兵談」。海防の必要性を説いた軍事書。時の幕府の意に添わず。発禁処分。今でいう出版社もないことから、自分で版木を彫っての上梓。発禁どころか版木没収。閉門蟄居と相成り候・・・。
そんな時に詠んだ歌。「親も無し、妻無く子無く版木無し、カネも無けれど死にたくも無し」。無い無い尽くしで付けた号が六無斎。
カネが無い、カネが無いの国家財政。いやギリシャじゃないですよ。このわが日本国ですよ。で、ひねり出した消費税増税法案。
「カネも無けれど降りたくも無し」の野田総理大臣さま。
「カネも無けれど落ちたくも無し」の議員心理。
小沢曰く。「大増税」と。小者の家来引き連れての離党の動き。増税法案の本会議採決は来週。週末はさんでどんな動きとなるものやら。
本会議の開会ベルが鳴ったあとの勝負。どれだけが「反対」にまわるのか。
う~ん、まさに、誰(た)がために鐘は鳴る・・・・。
ヘミングウエイの小説が問いかける。
「この戦争は何だったのか。誰のための戦争なのか。上官の命令とは・・・」。
昭和39年だったか。佐藤栄作内閣誕生。佐藤、河野、藤山が熾烈な争い。結果、党内調整で佐藤栄作が池田の後継総裁に。その時の両院議員総会。川島正二郎が言った有名なセリフ。党内一致を呼び掛け、しこりを残さぬようにの呼びかけ。「小異を捨てて大同につく」。
ま、その後、自民党も例えば三木おろしの時の挙党協騒ぎや、大平内閣不信任決議が福田派の思わぬ欠席でハプニング解散なんて歴史もあるにはあったものの。
ボス猿小沢に傾倒する子猿どもがどうするのか。ねんでもいいから♪勝手にしやがれ♪ってね。
さてさて、林子平さんには申し訳ないが、平成の六無斎。誰が歌うかざれ歌を。
「親も無し、妻無く子あり、人気なし。カネはあれども死にたくは無し」ってことか。小沢くん。政治生命を絶ちたくない、死にたくないっての勝手気ままに見えますが。
「親、小沢、妻あり子あり、票怖い、カネは貰えど、死ぬは必定」。落選覚悟での次の選挙戦。小沢中る度連とやら。
業界用語。「田んぼの草刈り」。選挙区の票田を耕すこと。消費税増税反対に選挙民の反応はいかに。政局絡めた増税反対。選挙民は見すこしているんでは。
明日、明後日、田の草取りは繁忙でしょうな。
「家も無く、家族も無くし、支援無し、カネも無けれど死にたくは無し」。被災地の選挙民はみんなそう思っているはず。
“チェルノブイリ”異聞
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