2012年6月9日土曜日

首相が保証する「安全」

「関西を支えてきたのが福井県、おおい町だ。40年以上原子力発電と向き合い、電力供給を続けてきた立地自治体への敬意と感謝の念を新たにしなければならない」。

大飯原発再稼働。記者会見で野田はそう言った。たしかに、この会見でも福島について触れた。でも、それは、いわば原発を語る上での“枕言葉”か、“前座の口上”のようなものだった。そうとるのは福島県民の根性がまがっているのということなのか。

「関東の電力を支えてきたのが福島県。双葉郡だ。40年以上、原発と向き合い、供給を続け・・・そのあげく・・・」。そしてどんな念を持つ・・・。

福井県知事の要請による、福井県民のための、関西圏に向けた、首相の会見。
そして高言する。

「福島を襲ったような地震・津波が起きても事故を防止できる対策と体制は整っている。安全を保障する」と。

一介の政治家がどうして言える、安全を保障するなんて。おりしも、大飯原発直下には活断層が存在するという学者の話が出たばかり。もちろん関電は否定する。

福井県知事の要請に基づく会見だった。県知事はこの野田の言質を隠れ蓑にして、事あれば「国のせい」と言える。

野田が保証してくれた「安全」とは何んだ。

確かに福島でも、放出された放射性物質によって直接被曝して死んだ人はいない。おそらく癌の発症率の高くはならないだろう。
でも、でも、でも。避難生活による災害関連死は1632人を数える。未だに家に帰れない人、永久に帰れないだろう人、さまざまなストレスで悩む人など、政治の力では解決できない事共が渦巻いている。

それは「保障」や「補償」ですまされるものではない。

再稼働の理由は「国民生活を守るため」。原発をとめてしまっては日本の社会は立ちゆかない。エネルギー安全保障の視点からも原発は重要な電源だ。そう、これが野田の思想。

電力不足がいかなる社会的混乱をもたらすか。それは十分承知。それくらいの“常識”は持っている。しかし・・・。福島県民の生活は守られていない。

戦中・戦後、嫌と言うほど聞かされてきた「耐乏生活」という言葉。それを潜り抜けてきた我々世代。

満ち足りた電気に胡坐をかくような今の世に常に懐疑的な念あり。そう言いながらも、電気が無いとパソコン使えず、これも書けない自己矛盾に悩みながら。

再稼働しても「計画停電」はあると言う。その検討がされているという。

「ふくしま」からまだ一年余り。大飯を端緒に再開されるだろう原子力発電。

社会構造を変える以外に無い。しかし、政治はそれが出来ない。
「病院の電気が止まったら・・・」。弱者を隠れ蓑のようにして、生活を守ると言う論理の展開。

ふくしま30キロ圏内、機能している病院はほとんど無い。

官邸前のデモ。きのうだけはちょとだけメディアに紹介されていたが・・・。

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