急に寒くなってきました。寒い中での「寒い話し」を。
鳴り物入りで完成し、東京名物になった「東京スカイツリー」。それはもともとはテレビのデジタル化に合わせて、デジタル波が東京はもとより、関東一円に届くための、難視聴区域を無くすために、超高層のタワーにした電波塔だったはず。東京タワーに替っての。
スカイツリーの完成はビッグニュースになった。テレビは過剰なまでにその完成を連日伝え、「3・11の大地震にも耐え、そこでその時働いていた人達の「物語」を特番にして放送していた。
東京タワーだって、地震に耐えた。そこから送られる電波が地震や津波、原発事故を連日伝えていた・・・。
スカイツリー落成後、その中に入ったショッピングフロア、「ソラマチ」の様子が連日話題になり、駅名も変えた。地元の商店街や住民も湧いた。
展望台には多くの人が押し寄せた。今も連日賑わっているという。
それらはいわば「付属物」。電波を出さないと意味が無い。その筈。でも、それが伝えられない。なんとなく疑問に思っていたら、案の定。
もっとも、スカイツリーからのテレビの本放送開始は来年の1月の予定だったから、杞憂であればいのだが・・・。
新聞が伝えていた。
「スカイツリー発の電波受信に不安。TVが映らない世帯も。アンテナの向きなど原因」と。
試験電波は何回も出した。調べたら、映像がまったく映らない世帯があることがわかったという。
高層ビルの林立による電波障害を避けるために、東京タワーの1,9倍もある高さにした電波塔。関係者はいう。「全くの想定外」だったと。
聞き飽きた「想定外」がここにも登場した。想定外を想定しておくのが知恵と原発事故で教わったはずなのに。
NHKの会長は昨日の記者会見で言ったという。「影響を最小化してから“移転”するが、まだ時期は決められない。出来るだけ早く、来年の春ごろにはと思っている」と。
当初の計画、来年1月はずれる。なんか「近いうち解散」と似ている。
そのうちどうにかするのだろうが、電波が出せない電波塔。電波塔が電波塔で無く商業施設としてだけその威容を誇っているという現状。
原発周辺のオフサイトセンター。福島では、そのオフサイトセンターがオフサイトセンターにならなかった。機能しなかった。それがどれだけ多くの影響を与えたか。
政治にまで援用する気はないが、「それが、それとして機能してない」と言うことが、技術の粋を集めたはずの電波塔にもあてはまっってしまったということ。
粗さがしのようかもしれないけれど、すべてが「バベルの塔」に見えてきてしまうという“寒い”お話・・・。