2014年8月18日月曜日
「日本の繁栄は他国の戦争にあった」ということ
戦後の、戦後しばらくしてからの日本の急激な高度経済成長。それを支えたのは何だったのか。もちろん、国民の勤勉さ、創意工夫もある。しかし、その流れを加速させたもの。それは朝鮮戦争。そのいわゆる「朝鮮特需」。
急ピッチで生産された兵器が米軍に提供された。いわゆる軍需産業は多大な利益をあげた。そしてベトナム戦争。軍需産業は、兵器製造産業は、日本の経済発展に大きく“貢献”した。
豊かさを目指す国民は、言葉としてはそれを多少意識してはいただろうが、豊かさへの道に酔っていた。
まるで、戦時中の貧困との対極のように。
日米安保に基づく米軍基地。国は地位協定による「思いやり予算」で基地を支援した。基地のある街は米兵が落とす金で潤った。
こんな話がある。
「そろそろどこかで戦争でも起きてくれないことには、日本経済も立ちゆかなくなってきますなあ。さすがに日本の国土でどんぱちやられたのではたまらないから、私はインドあたりで戦争が起きてくれれば、我が国としては一番有り難い展開になると思ってますよ。」
安保法制懇の重要メンバーで現在JR東海の葛西敬之名誉会長が、かつて言い放った言葉だという。
本音なのだろう。際どい言い方かもしれないが、他国で血が流れることを経済に置き換えるということ。その血の中にはもちろん米兵の血もある。
人間の血が購うものは何か。それが経済成長と言うことなのか。
それをアメリカ国家は知っている。“ショウザフラッグ”と言い、あたかも、日本にも血を流せと迫った。
原発と金。六ヶ所村への東電の「寄付金」がまたぞろ”問題視“されている。
「原発マネー」に対する東電批判の視点ではあるが、読みようによっては「カネ」を要求する、求める、六ヶ所村や東通村への非難とも読める。
ここから考えなければならないのが「一つの東北論」。
中央からのアメとムチで懐柔されてきた東北。近代史の中でも、繁栄から、成長から取り残されてきた東北。
食糧やエネルギーの供給地とされてきた東北。再処理施設と言う名の「ゴミの集積所」とされる東北。
そして、労働力の供給地であった東北。
いや、かつては兵士の供給地であった、“使い捨て”の兵隊さんの供給地であった東北。
2・26事件に多く加わった東北出身の陸軍兵士。
原発エネルギーの供給地だった福島。繁栄を支えた。
「金の卵」といわれた集団就職の子供たち。労働力として、繁栄に貢献した。
うすら寒いような気候だったお盆。明けると暑さが戻ってきた。
ありきたりの「お盆の帰省」のニュースにはうんざりだった。
夏休みということもあったのだろうか。集中豪雨に見舞われて地域には若いボランティアの人達の姿があった。
助け合いのボランティア。人の役に立ちたいというボランティア。
彼らの姿に、学徒動員、勤労奉仕の70年前の若者の姿が重なる・・・。
昔も今も、戦争があれば「死の商人」が暗躍する。そう暗躍だ。彼らを儲けさせ、瀟洒な暮らしをさせるために、どこかで血が流されている。若者や子供の。
「初夏の光の中に苗木植うる この子供らに戦あらすな」。
平成7年の全国植樹祭に行かれた美智子皇后の詠まれた歌だ。好戦的言辞を弄する人はこの歌をなんと聞く。
平和を希求し続ける皇室。
美智子皇后の心とともに在りたいと思う。
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