2014年8月5日火曜日

安倍政権は「福島」を見放した

福島県知事選を巡り、政権側は自民独自の候補擁立を断念し、「相乗り」という選択肢をとった。

結論を言ってしまおう。“不戦敗”に等しいことだと。

自民県連は独自候補擁立を決めていた。しかし、決められなかった。関係者に聞くと、なんだ、かんだと内輪の言い訳めいたことをいうが、要は「成り手がなかった」ということに尽きる。

「相乗り」はまだ幹事長や安倍が言ったことではない。しかし、もはや既成事実だ。

決められなかった県連にも問題がある。責任は大きい。一旦はこぶしを振り上げたのだから。

自民党内では各種の選挙があるたびに、かなり綿密な情勢調査を行う。福島では独自候補では勝てないという判断が出たのだろう。

滋賀、福島、沖縄。この三つの知事選。結果は政権基盤にも影響するとこ大。
たかが知事選、されど知事選だったのだ。
そして、参院選での第一声。安倍の。「福島の復興なくして日本の再生なし」。
福島を「解決」することが大きな要素だとは思っていたのだろう。あの頃は、まだ「福島」は熱かったから。

福島知事選。言わずと知れた原発問題を抱えたままの福島。その知事選に自民党は負けるわけにはいかなかった。沖縄だって帰趨は見えない。苦し紛れの仲井真擁立。

福島、沖縄。勝敗は政権運営に大きく影響する。政権の行方にも影響する。しかし、勝てる候補が見つからない。いや、誰を立てても勝てないかもしれない。

苦し紛れの選択。「相乗り」。独自候補ではないが、“負けた”ことにはならない。なんとでも言い訳がつく。

なぜ独自候補を立てられなかったのか。県選出の閣僚もいるし、そこそこ“大物”議員もいるはすなのに。

安倍は彼らに「出ろ」とは言えなかった。言ったとしても、だれも火中の栗は拾いたくなかったのだ。永田町の、都会のど真ん中の安穏な議員生活の方がよかったのだ。

さて、相乗り。現職ということになろう。再選時は三党相乗りだったし。
雄平の叔父、渡部恒三が陰で糸を引いていたのだろう。
ちょっと前にも書いた。雄平がその気になってきたと。
国会対策、寝技に長けた、竹下登の門下生。技が冴えたということか。

恒三さんが、「雄平をよろしく」と会津地方の首長らに依頼しているということを半年前から聞いていた。

多くの県民は、雄平に飽き飽きしている。平時なら、官僚出身の優秀な副知事の言うことをきき、県庁職員が担ぐ神輿に乗っていればよかった。
非常時はそうはいかない。

おととし、菅が首相、雄平が知事。「福島は終わった」と書いた。「県民の悲劇」だとも書いたような気がする。それは今でも変わっていない。

優秀な秘書だったが主になる能力も持ち合わせていない玉だったから。

雄平は立つだろう。他に相当な人物を持ってこない限り、三選と相成る。相乗りだから“負けた”ということにはならないという目論見。

あと4年、まだ雄平にこの県を託すのかよ。うんざりだ。

自公民以外の他党はどうする。環境学者の飯田哲也あたりがなんとかフォーラムというのを立ち上げ、知事選に政策反映をとも言っているようだ。自分は出ないとも言っているようだ。

最近、小泉進次郎が足しげく福島入りしている。きのうは会津若松で講演をして、再稼働に疑義を唱えていたとか。
でも、まさかね・・・・。

福島県知事選は、県の”復興、再生“に寄与するものではないということなのか。単なる政権延命の具にされるということなのか。

自民党の県連もバカにされたもんだ。永田町からは。
それよりも、なにより県民は・・・。

福島は権力者にいいように使いまわされているような。出汁や具にされるって全く持って気に入らない。

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