2014年8月3日日曜日
「歩きスマホ」と「二宮尊徳」
郡山の地も連日の酷暑。かなりこたえています。
そんな暑さの街中、本を読みながら歩いている女性に出会いました。正確にいうと見かけました。
明らかに「読書」なのです。地図を見ているのではない、フリーペーパーを見ているのでもない、雑誌でもない。ちらっと見ですが、明らかに本を片手で持って読んでいたのです。
歩きスマホではない、歩き読書。
若いころよくやっていました。本を読みだすと止まらない。電車の中でもバスの中でも、歩きながらでも、気になって仕方がない、続きが、その先が。ホームで読んで、読みながら車内へというのも。
歩きながらの読書、それは「ぶつかる」という危険な行為に結びつくんでしょうが、なぜかやっていました。
いまどき、歩道を歩きながらの読書、学生街でもあるまいしと思いながらも、なんか「いい光景」だったのです。その本がなんだかはわかりませんが。
「薪を背負って読書、勉強をしながら歩いていた二宮金次郎、二宮尊徳」。”教育“の手本でした。学校の校門にもその姿が、銅像がおいてありました。
ふとそんなことが酷暑の中の蜃気楼のように頭に浮かんできて・・・。
二宮尊徳の訓えの中に「報徳訓」というのがあります。
父母の根元は天地の令命に在り 身体の根元は父母の生育に在り
子孫の相続は夫婦の丹精に在り 父母の富貴は祖先の勤功に在り
吾身の富貴は父母の積善に在り 子孫の富貴は自己の勤労に在り
身命の長養は衣食住の三つに在り 衣食住の三つは田畑山林に在り
田畑山林は人民の勤耕に在り 今年の衣食は昨年の産業に在り
来年の衣食は今年の艱難に在り 年年歳歳報徳を忘るべからず
今、これを読んで感じるのは後半の部分。
前に書いたかな。安藤昌益の“思想”と合致しているのです。
「長生きをするには、衣食住のバランスをよくしなければならないし、衣食住を良くするためには、それらをつくってくれる田畑、山林を良く手入れしなければならない」。
この報徳訓は、なんと福島県の相馬市の憲章にも記されています。
「報徳の訓えに心をはげまし うまずたゆまず 豊な相馬をきずこう」と。
そして全文も銅像の台座に彫り込まれていたような。相馬の歴史と風土が、合致してるとうことなのでしょうか。
それにしても、「スマホ」の普及率って何だろう。凄い。世界中、戦乱の地にあっても使われているスマホ。
郡山の街中でも、どこでも、歩きスマホ、ながらスマホ人だらけ。もはやスマホとは、携帯電話の延長ではないんだな。
歩きながらもさることながら、車運転してのスマホも度々見かける。そんなに必要なものなのか。持っています、使っていますけど。“中毒”にはなっていない。
ネットツールであることが一番の利点か。LINEが登場してからなおさら。
テレビで「ネットの闇」みたいな話を時々識者がやっている。特にネット絡みの犯罪が起きると。
どこかでスマホ否定論。そして、番組では視聴者の意見を聞く。イエスかノーかLINEでお答えください。10分で多くの反応。
嗤うしかないのか。
報道番組でもツイッターでの主張者からの意見を。見てるとほとんど無意味。問いかけに即座に反応しなければならないその“特性”。
「考えること」を無視しているかのようなネット社会、その代表か、スマホ。
若い人のスマホ操作を見ていると驚くばかり。その早いこと速い事。指がよくもまあ、あんなに動くもんだとも。
結局、スマホって「便利さの象徴」なんんだろうなって。
どうも、第一次産業従事者にとっても「スマホ」は、品質管理含め、必須アイテムとなっているとか。
なんかけったいな景色やなあって思うんやけど。
「もし、二宮尊徳がスマホを持っていたら」。そんな奇想天外な番組やったらどうなるんだろう。
お粗末さまでした。日曜妄語。
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