紆余曲折(この言葉が適切かどうかはともかく)をたどりながらも、中間貯蔵施設は作られることになるだろう。大熊と双葉に。
用地取得だけで1,000億円がかかる。
施設建設費用も膨大な数字だろう。
我が家の除染作業は終わった。線量がどう変わったのか。まだ、計測は来てない。
剥ぎ取られた土は地中に埋めた。近所でも進行中だ。
草木や樹木の一部が無くなった。
「さっぱりしたな」という一言。複雑な、いろんな意味で。
地中に埋められていない「廃棄物」。黒いビニール袋の山が、郡山の市中でも、あちこちに見られる。
仮置き場。異様な光景。フレコンを呼ばれる袋。その山は福島の光景となってしまった。景観もへったくれもない。
やがてそれは中間貯蔵施設や指定廃棄物焼却場に回されることになっている。
やがて・・・だ。
施設が出来れば、県内各所にある仮置き場の袋が無くなると考えたら大間違いだ。
中間貯蔵施設。そこに搬入される廃棄物の総量は2,800万立方メートルと予想されている。数字はあっても、その実相は想像できない。
総重量は3,500万トンだとされる。
仮に10トンが積載できるダンプで運んでも、一日あたり3千台必要とする。最低3年間はかかるという。
3千台のダンプが県内を走る光景・・・。
双葉、大熊に向かう道路はダンプで大渋滞になる。
簡易舗装に等しい道路はダンプの重みで大方“損壊”するだろう。
そこへの運搬。そのことはあまり多く語られない。国もあえてそれを遡上には乗せない。
運搬途中で「事故」があったらどうなるのか。ダンプが通過することでの線量を気にする人だって少なくない。
一日3,000台のダンプが確保できるのか。その手当、手立ては考えられているのか。
その費用はいかばかりになるのか。運転手は確保できるのか。
貯蔵施設の建設費用は・・・。
そのことについての「説明」は無い。施設の管理は特殊会社「日本環境安全事業(JESCO)」が行うとされているだけだ。その会社は国では無い。
巨費を投じて「施設」は建設される。しかし、そこにどれだけのものが搬入されてくるのか。
搬入が物理的に不可能となった場合、それは十分予想されることだが、施設は“宝の持ち腐れ”ってことになりはしないか・・・。
下種な話、施設の建設業者だけが“儲かる”ってことで終わらないのか。
最終処分場の議論の前に、目の前にある「仮置き場」をどうするって問題があるのではないか。
県もそれを公然とは言わない。順調な運搬なんて考えられないと思っているからだろうか。
国は、まずは施設建設にむけての住民対策が大事ということなのか。建設後のことには無関心のように見える。
「ま、どうにかなるんじゃないの」なんて具合の、数年経てば持ち場が変わるっていう官僚のずるさも透けて見える。
環境大臣は「もうごめんだ」てなことを言ったとも伝えられる。
運搬計画の詳細は、施設が完成してからということなのか。
ともかく施設が出来ても運搬はとてもじゃないが3年では終わらないということ。
いくら住宅除染が進んでいるからと言って、「元に戻す」という作業は何も進んでいないということ。それをメディアが、敢えてかどうかはともかく“失念”してるということ。
これとても「福島」の一断面。
2014年7月5日土曜日
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