フォークソング全盛期、「人の手」という歌がうたわれていた。
♪一人の小さな手 何もできないけど
それでも みんなの手と手をあわせれば
何かできる 何かできる
一人の小さな目 何も見えないけど
それでも みんなの瞳でみつめれば
何か見える 何か見える
一人の小さな声 何も言えないけど
それでも みんなの声が集まれば
何か言える 何か言える
一人で歩く道 遠くてつらいけど
それでも みんなのあしぶみ響かせば
楽しくなる 長い道も
一人の人間は とても弱いけれど
それでも みんながみんなが集まれば
強くなれる 強くなれる
それでも みんながみんなが集まれば
強くなれる 強くなれる♪
アメリカのシンガー、ピート・シガーの作だと記憶している。
「3・11」後、この歌が応援ソングとして使われていた場もあったが、テレビから流れてくるのは「ふるさと」であり「花は咲く」だった。
時々、なんかの拍子に歌が浮かぶことがある。昨夜からはこの「一人の手」。
流行っていた時代、ギター一本で歌われていたこの歌。あまり興味は湧かなかったが・・・。
3・11後の反原発運動。集団的自衛権反対運動、イスラエル大使館への抗議行動。
なぜか、それの意味が全くわからないが「ドラム隊」というのがいる。
ドラムの大音量に、リズムに合わせてのシュプレヒコール。どこか「お祭り」のようにも映る。
安保闘争を体験した世代には、デモと言えばジグザグだったけど・・・。
デモ行進。みんな手と手をつないで歩いている。
あの頃はやったフォークの歌をみんなで歌っているってないのかな。
一人の力は弱い。集まれば強い力になる。それはそうなんだけど。
きのうの「海」の話ではないが、一人で海を見に行って、一人で感じてくる。
集団の中に己の身を置き、埋没させていくことが是なのか。一人で思索を深めることが求められるのか。
今の世の中の風潮の中で、この歌の意味を理解するのは難しい。
♪戦争を知らないこどもたち♪。こんな歌がやはり流行っていた頃があった。ベ平連の全盛期だったか。
この歌を理解するもの難しかった。
戦争を知らない世代を誇っているような。子どもながらに戦争を知っている、体験している世代には、どこか“違和感”を感じていた。おかしいということではなく。
そして「東京」をテーマにした歌がいくつも生まれていた。東京に憧れ、挫折してという内容の。
石川セリや山崎ハコのあの物悲しい歌に魅かれていた時代。
一人の手。石川啄木の歌。
働けど、働けどわが暮らし楽にならず。じっと手を見る。
なぜか好きだったな。あの詩が。
梅雨の鬱陶しさの中、歌が浮かび、鬱陶しいことを書いてしまった。まとまりのつかない日曜。
だれか、これらの歌を解き明かしてはくれぬか・・・。
一人の手という歌。いわゆる被災地には“必要”な歌だとも思えたので。
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