今朝、郡山の坪井病院に行ってきました。ロービーで急ごしらえの”診察”。どこが悪い訳でもありません。かかりつけ医に定期的のもらっている薬を処方して貰うだけ。
副院長との話は自然に原発事故、放射線汚染のことに及びました。
「少なくとも郡山ではまったく心配はありません。危険性もありません。水だってそうです。原発の半径5キロ圏内ならいざしらず。皆さん普通の生活していてください」。断言。「放射線によるガンの心配よりも、もっと怖いのをはタバコなんですよ」。あちゃ~~~。「テレビは煽りすぎです。報道姿勢がおかしい。抗議しているんですが」とも。
そういえば最初の水素爆発があった時に隣の急患連れていった旧知の医者も言っていました。同様なことを。だからでしょう。南相馬に戻っていく医者もいるとか。
きのうもテレビみていてつくづく感じました。事象を断片的に大仰に取り上げ、とにかく危機感煽っている。NHKも民放も。専門家という学者が冷静に事態を説明しているのに、発言を遮って「でも危険にはかわりないでしょ」というNHKの夜の女性キャスター。
すぐに「最悪の場合は」とキャスターは言う。最悪ってどんな事態?。それを専門家には聞かない。もちろん自分たちだってわからないし、知らない。「最悪の事態」。それってどんなこと?。視聴者はどんな事態と受け止めればいいの。何もわからない。
無責任過ぎるテレビ。しかし、それにしか情報源を持たない民草。官房長官の会見も、保安院の会見も、電力の会見も絶対に全部は流さない。片言隻句だけの報道。中継は何の意味もない部分だけ数分流しておわり。
同じ被災地映像を繰り返し繰り返しドキュメンタリーで放映しているんなら、現在進行形をもっとちゃんとやってよって言いたくなる。
昨夜のNHKの放送で二本松、岳温泉の老舗旅館、松溪苑が閉鎖、廃業って事実を知りました。経営者、佐藤俊夫さん。いろいろお世話になったし、仲のよかった友人です。後を継ごうとして東京の会社を辞め戻って来ていた次女の亮子さんの涙・・・。
地震の被害は相当な物でした。しかし、数千満円借りれば修復出来る。しかし絶望的にさせられたのはキャンセルキャンセルの風評被害。二本松に放射線は行っていない。「もう集客は望めないって判断したんです」と俊夫ちゃん。
この風評被害という怪物に俊夫ちゃんの気力は折れてしまった。家族も。
夜、電話で話しました。一緒に泣きました。俊夫ちゃんはとてもいい人です。善人です。「NHKさんはよくまとめてくれた」と感謝してました。彼の中ではテレビが風評被害をまき散らしているなんて思ってもいない。そのことを言うとなぜか怪訝そうな声が返ってきていました・・・・。
またもや怒りがこみ上げる日々。
閉鎖中の郡山駅。新幹線の切符の払いもどしに行ってきました。一カ所だけ通路があって緑の窓口に行けた。
カウンター越しに応対してくれた駅員さん。申し訳ありません、申し訳けありませんと頭を下げていました。「あなた方のせいじゃないよ。大変だったね。ご苦労さん」。思わず優しい言葉が亭主の口をついて出ていました。まわってみた食品館のジュピター。店員さんは皆元気でした。それなりに被災しているのに。亭主の顔をみると「よかった~~~」と歓声をあげてくれました。
みんな大変だろうけど、ありがとう。店員さんにもなぜか優しく接していました。そんな自分に気づいた時、ちょっと自分のこころにも余裕が出来たような気がしました。
テレビにも早く優しい言葉をかけてあげたい。
2011年3月30日水曜日
“チェルノブイリ”異聞
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