今朝は霧が立ち込めていました。ちょっと先も見えないような。普段見る景色が見えない。閉じ込められたような奇妙な感覚。
原発内部の状況も、まさに、霧の中のようで。キセノン検出問題。「正解」はやはり霧の中。新たに生まれた霧。三号機内部の線量いまだ高い、高いとか。
なにがどうなっているのか、誰もさっぱり分かってないのでは。
霧の中にいるように閉ざされたような日々の被災者の生活。先が見えない、前が見えない。
「はやく何とかしてほしい」。訴える先は国や自治体しかない。無理だとわかっていても元の生活に戻りたいと願う、言う。
霧に覆われてしまった国。首相にしても県知事にしても、自治体の長にしても、明快な言葉を発せられない。
だから人々のこころは霧の中に入り込んでいく。まわりが見えなくなって行く。
「言葉は時として人の壁になって、人の心を守ってくれる」。
そんな「守ってくれる言葉」に出会えない。
「日本の黒い霧」。松本清張の名作。その霧はある程度あばかれたが・・・。
今の世の見えない霧・・・。
ある集まりでこう言った高齢者がいた。「放射能は見えないし、匂いもないから怖いっていうけれど、見えたり、匂いがあったりしたらもっと怖い。見えたら逃げ出すさ」。
地図の上では色分けされた「汚染」。体感は出来ない「汚染」。
霧ははれてもらわないと困るんだけど・・。
2011年11月6日日曜日
“チェルノブイリ”異聞
ロシアがウクライナに侵攻し、またも多くの市民、日常が奪われて行く。 ウクライナという言葉、キエフという言葉、チェルノブイリ・・・。 そう、あの最大の原発事故を起こした地名の幾つか。 「チェルノブイリ原発事故」。1986年4月26日。 ウクライナの北部にあるその...
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新しい年となった。雪の中だ。 良寛の詩作を引く。「草庵雪夜作」の題名。 回首七十有餘年 首 ( こうべ ) を回(めぐ)らせば七十有餘年 人間是非飽看破 人間の是非看破(かんぱ)に飽きたり 往来跡幽深夜雪 ...
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