ほんとうにこの人は良い事を言う。良い言葉を発してくれる。千金に値する言葉を。
「あなた方の中には龍が住んでいます。人格という龍です。年をとって経験を積むほど、その龍は大きく強くなっていきます」。
相馬市の小学校を訪れたブータン国王は子供たちにそう話しかけていた。
龍かーーー。なるほど。国旗にも印されている龍。ブータン国旗の意義がわかった。すべての国旗には意味があると。
幸福度感じる国民が98%の国。幸福度とは決して物質的な幸福ではなく、こころの幸福。
この言葉に励まされました。年甲斐も無く。自分の中にある龍を大事にしなければと。
相馬市の子供たちにもとどいたこの言葉。みんな「一番印象的だった」と言っていた。
子供たちはきっと育てるでしょう。自分の中の龍を、何物にも負けない強い龍を。
幸福度。どっかの大学の研究室がやった日本の都道府県別の幸福度調査。その一大学の調査結果をネタに「大阪府はワーストワンだ。それを立て直すんだ」と選挙の売り込みに使う候補者。
ブータンと日本では、最大の理解国であり友好国であるにもかかわらず、「幸福」という尺度は180度違う。
物質的豊かさイコール幸福。もうそんな価値観を捨てないとダメなこの国。
中島みゆきだって歌っている。銀の龍の背に乗って。
「あの蒼ざめた海の彼方で、今まさに誰かが傷んでいる。
まだ飛べない雛たちみたいに、僕はこの非力を嘆いている。
急げ悲しみ、翼に変われ。急げ傷跡、羅針盤になれ。
夢が迎えに来てくれるまで、震えて待ってるだけだった昨日。
明日、僕は龍の足もとに崖を登り、呼ぶよ、さあ、行こうぜ。
銀の龍の背に乗って、届けに行こう命の砂漠へ
銀の龍の背に乗って、運んで行こう雨雲の渦を・・・」
昨日までは待っているだけだった龍。今日、その龍が来た。さあ、明日からは、行こうぜと呼びかけあって、届けにいこう、運んでいこう。
ワンチュク国王がそう大人たちにも言っているような。
ブータンから貰った「龍」。我々はそれを育てる責務がある。もし、貰っていないと思ったら、それを取り戻しにいかないと・・・。
2011年11月19日土曜日
“チェルノブイリ”異聞
ロシアがウクライナに侵攻し、またも多くの市民、日常が奪われて行く。 ウクライナという言葉、キエフという言葉、チェルノブイリ・・・。 そう、あの最大の原発事故を起こした地名の幾つか。 「チェルノブイリ原発事故」。1986年4月26日。 ウクライナの北部にあるその...
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新しい年となった。雪の中だ。 良寛の詩作を引く。「草庵雪夜作」の題名。 回首七十有餘年 首 ( こうべ ) を回(めぐ)らせば七十有餘年 人間是非飽看破 人間の是非看破(かんぱ)に飽きたり 往来跡幽深夜雪 ...
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そう、あれは6月の初めだったか。 急に視力が悪く、パソコンの画面が見え難くなった。 脳梗塞で入院した時、最初に診察してくれた当直の麻酔科の医師が「白内障が出てます。手術した方がいいですよ」と教えてくれていた。 その後転倒して、それも二回。 CT 検...