2011年11月19日土曜日

大きく強い龍に

ほんとうにこの人は良い事を言う。良い言葉を発してくれる。千金に値する言葉を。

「あなた方の中には龍が住んでいます。人格という龍です。年をとって経験を積むほど、その龍は大きく強くなっていきます」。

相馬市の小学校を訪れたブータン国王は子供たちにそう話しかけていた。

龍かーーー。なるほど。国旗にも印されている龍。ブータン国旗の意義がわかった。すべての国旗には意味があると。

幸福度感じる国民が98%の国。幸福度とは決して物質的な幸福ではなく、こころの幸福。

この言葉に励まされました。年甲斐も無く。自分の中にある龍を大事にしなければと。

相馬市の子供たちにもとどいたこの言葉。みんな「一番印象的だった」と言っていた。

子供たちはきっと育てるでしょう。自分の中の龍を、何物にも負けない強い龍を。

幸福度。どっかの大学の研究室がやった日本の都道府県別の幸福度調査。その一大学の調査結果をネタに「大阪府はワーストワンだ。それを立て直すんだ」と選挙の売り込みに使う候補者。

ブータンと日本では、最大の理解国であり友好国であるにもかかわらず、「幸福」という尺度は180度違う。

物質的豊かさイコール幸福。もうそんな価値観を捨てないとダメなこの国。

中島みゆきだって歌っている。銀の龍の背に乗って。

「あの蒼ざめた海の彼方で、今まさに誰かが傷んでいる。
 まだ飛べない雛たちみたいに、僕はこの非力を嘆いている。
 急げ悲しみ、翼に変われ。急げ傷跡、羅針盤になれ。
 
 夢が迎えに来てくれるまで、震えて待ってるだけだった昨日。
 明日、僕は龍の足もとに崖を登り、呼ぶよ、さあ、行こうぜ。

 銀の龍の背に乗って、届けに行こう命の砂漠へ
 銀の龍の背に乗って、運んで行こう雨雲の渦を・・・」

昨日までは待っているだけだった龍。今日、その龍が来た。さあ、明日からは、行こうぜと呼びかけあって、届けにいこう、運んでいこう。

ワンチュク国王がそう大人たちにも言っているような。

ブータンから貰った「龍」。我々はそれを育てる責務がある。もし、貰っていないと思ったら、それを取り戻しにいかないと・・・。

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