2011年11月15日火曜日

天下の大患

ここ数日、またもや野田内閣の支持率世論調査が報道されている。
横並びのように支持率低下。焦点はTPP交渉。

やがて支持率30%台になれば、「危険水域」なんて書き出すのだろう。
亭主、別に野田支持でもなんでもありませんが、なんか嫌な予感あり。

メディアの報道姿勢。野田は説明不足だ、リーダーシップに欠ける。あげく党内の“内紛”おもしろおかしく伝え、野党の無責任言動を是とするかのように伝え。
そりゃ刷り込まれますよ。TPPのなんぞやを知らない人にまで。

そして調査をすれば、支持率減るのは当然。質問の仕方も「報道」をもとにだもの。

追いこんで、追いこんで、また、「辞めろ」と主張するのかな。その一方では、年中変わる首相。諸外国の信頼失墜と社説なんかで書く。

テレビには元官僚の論客を連日登場させ、官僚叩きに溜飲を下げる。叩かれる官僚は黙している。しかし、仕返しの機会窺う。

キャスターと称する輩は「被災地に目を向けろ。この現実をなんとする。国の責任、責任だ」と連呼する。

非難、誹謗の日々は何の解決策ももたらさない。

いまメディアの興味をひくのは全国に広がっているような「放射能汚染」だけか。「汚染」の二文字がどれだけ反響を呼び、人心をかく乱しているのかご存じか。

「心からのお願いです。心からのお願いです」。ウグイス嬢と称する金切り声が町中を走っている。県議選真っ最中。「市民の皆様を放射能の恐怖から守ります」。え、そんなこと言いきれるの。

届いた選挙広報。誰を見ても同じことばかり。書いてあることだけは。県知事にもの申したと豪語する御方もおいでだが。

この時期、この土地になぜか選挙は不似合いのような。

メディアの立ち位置にも大いなるかい離を覚える。

吉田松陰の言葉を引く。

「天下の大患は、其の大患たる所以を知らざるに在り」。
世の中の大いに憂うべきことは、国が大いに憂慮すべき状態にある理由を知らないことにあるという解釈か。その理由は明白。メディアのあり方。メディアのある意味“暴走”。それを自覚していない。

松陰の語は続く。
「いやしくも大患の大患たる所以を知らば、いずくんぞ之が計を為さざるを得んや」。
仮にもその憂慮すべき事態になる理由を知れば、どうしてその対応策を立てないでいられようか。立てるべきであると読む。

メディアが大患だとすれば、それへの対応をどうすればいいのか。リテラシー能力なんていう言葉では片づけられないが・・・。

患とは悩み、憂い、病気。名医はいずこにありや。

“チェルノブイリ”異聞

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