2015年2月26日木曜日

「2月26日」という日

今はあるかどうかわからないが、麻布の龍土町、六本木の交差点から乃木坂に向かったところに「龍土軒」という洋食屋があった。

そこは、2・26事件を起こした陸軍歩兵連隊があったところであり、蹶起する下士官たちが最後の謀議を企てたところと聞いている。

昭和11年2月26日。雪の降る中、陸軍の若手下士官や兵士たちが首相官邸はじめ、都内の枢要な官公庁、屋敷を襲った軍事クーデター。「2・16事件」と言うのがあった。その4年前、昭和7年には「5・15事件」が起きている。
海軍によるクーデター。首相の犬養毅が暗殺されている。

それらの事件があったのは事実である。「昭和維新」を掲げた。なぜ、この事件が起きたのか、その「なぜ」の真相は解明されていない。さまざまな“見解”がある。歴史の「事実」として、これらは記録されている。

2・26事件に加担した兵士には東北出身者が多かったという話がある。
その兵士たちの多くは貧しい農村の出身者だったという。長年にわたっての、彼らの中にあった“ルサンチマン”的なものが、そこに帰結したのではないかと言う説。

事件に精神的影響を与えたという北一輝という人物が、「右翼」だったのか「左翼」だったのか。その評価も分かれている。

昭和天皇の「言葉」で、このクーデターは収束した。2・26のことだ。そして、昭和16年から始まった戦争。その終戦時、時の内閣が恐れたのは、やはり陸軍によるクーデターだった。それも昭和天皇の「聖断」で大きな出来事には至らなかった。

昭和40年代、「三矢研究」という自衛隊内部の図上計画が国会ですっぱ抜かれ、“クーデター”と書かれたこともあったが。

翻って今、平成の時代。軍事クーデターが起きる気配は無い。むしろ政権がクーデターを起こそうとしているようにも見える。

その“クーデター”は「改憲」と呼ぶ。それが平成天皇の宸襟を悩ましている。

昨夜、きのうのここに書いた仮設のばあちゃんと、結果メシを食った。細々いろいろな話をした。置かれた環境に甘んじている姿も「東北人」のようにも映って来た。

1Fから汚染水が垂れ流されている。2号機の屋上からの汚染水は外洋に流れ出ていると言う。
その事実を東電は1年間「隠して」いた。なぜ、それを今、公表したのか。その「なぜ」は寡聞なのかもしれないが、伝えられていない気がする。

人は誰でも「都合の悪い事」「嘘」は隠す。隠し通せると思っていることもある。

いわき市内であった漁業関係者と東電との会議。

「裏切られた」。

漁業関係者の言葉は切実だ。信頼関係が崩れた中で、今後どんな話し合いがもたれるのか。多分、漁協内部でも揉めるだろう。

「フクシマ」。それはクーデターの対象に匹敵することかもしれない。

以前、「東北独立」ということを書いた。井上ひさしの吉里吉里国を引き合いに。

「沖縄独立」ということが、半分真顔で語られる。少なくとも現政権は沖縄を「無視」しつづけるのだから。

“独立”とて一種のクーデターだ。

アルプスは稼働していない。汚染水はたびたび問題をおこす。
外洋に流れ出ているというのに官房長官は「コントロールされている」と開き直る。

中間貯蔵施設を巡っての動きが急だ。「3月11日」搬入開始が目途だという。なんでそれが3・11なのだ。鎮魂の日であるにも関わらずだ。

3月8日には今日来日するイギリスのウイリム皇太子が福島を訪れると言う。安倍も同行する。その時の「心証作り」ではないのか。

現政権のアンダーコントロールという見解。それは東京オリンピック招致からはじまった。オリンピックの為の「福島利用」「英国皇室利用」「重ねられる嘘」・・・。ほんと、もう御免だぜ。

1年間隠し続けてきた東電の「嘘」。それが今になっての公表。その「なぜ」を知りたい。場合によっては嫌なことばかり押し付けられる東電の政府に対するある種の“クーデター”とも受け取れるから。

“チェルノブイリ”異聞

  ロシアがウクライナに侵攻し、またも多くの市民、日常が奪われて行く。 ウクライナという言葉、キエフという言葉、チェルノブイリ・・・。 そう、あの最大の原発事故を起こした地名の幾つか。 「チェルノブイリ原発事故」。1986年4月26日。 ウクライナの北部にあるその...