「ざる」。♪誰か故郷を思わざる♪って歌にもあったような、“否定形”としての「ざる」ではない。
「笊」のことだ。どこの家庭にもある必需品は笊。竹のものもあれば、金属で作ったものもある。あの水だけが落ちていく“すぐれもの”。
家庭にあっては、農家にあってはザルはすぐれものだ。ザルが無いとどうにもならないくらい不便だ。
郡山に「うすい」というデパートがある。今は三越系の全くの都市型、高級デパートだ。
20数年前まで、今のような近代的ビルになる前、そこはいわばデパートとはいえ、大型スーパーのようなところだった。
そこの食品売り場、魚や野菜。そこにあったのは「ザルスター」と呼ばれる“名品”だった。天井から吊り下げたザルがレジだった。売り上げはそこに入れる、つり銭もそこから出す。
レジスターが行きわたっていたころのザルスター。味があったような。
政治資金規正法は「ザル法」と呼ばれてきた。抜け穴だらけという意味に使われていた。
同じ「ザル」という言葉にもいい意味と悪い意味があるということ。
ザル法は何度も改正され、政党助成金なるものまでが導入されるようになって、献金、カネにまつわる“抜け穴”は無いようにとされてきた。企業献金の禁止や個人献金への制限などなど。
しかし、やはり「ザル」は「ザル」だったのだなという実感。
そう、今言われている、問題になっている“疑惑”の数々。
国の補助金を受けた団体や企業は1年間献金出来ないとされているが、これとて「ザル」の延長にあるもの。
政治にかかわる人、政治家や秘書、後援会。なんとかして抜け穴を見つけて「献金」に励む。なぜ献金があるのか。見返りがあるからという以外にない。
違法献金がバレると「知らなかった」が連発される。あげく、“補助金から1年間”の条項さえ知らないかったという政治家。
「知らなければ合法」。そんな屁理屈通用しないはず。
そういう奴を「ザル頭」と言う。ザルどころか中身まで抜け落ちている。
「知らなかったと言っているのだから違法ではない」。なんと総理大臣さまが大音声でのたまわったお言葉だ。
こんな川柳もどきの句があった。
「世の中は住むと濁ると大違い。ハケ(刷毛)の毛があり、ハゲ(禿げ)に毛は無し」。
濁点があるかないかでの日本語の洒落。
ならば、ザルの濁点を取ってサルにしたらどう見えるかだ。
サル知恵なんて言って、お猿さんを馬鹿にしたようにいう人間。猿の世界でも通用しないようなザルを見つけるのに営々と励む政治家たち。
サル知恵をかばうボス猿。
原発事故現場からは、そう、まるでザルのように汚染水が漏れている。“猿知恵”を働かせて、それを隠す。それがバレるとまた猿知恵を働かせてなんとかごまかそうと言い繕う。
あらゆるインテリジェンス(情報)は、まるで「ザル」の中にあるように漏れ出ている。
「ザル法」から浮かんだサルのこと。猿山はボスが支配している。でも、そのボスは子分を守る。子分とはその山(国)のあまねく国民だ。
だけど・・・取り巻きだけは庇うが、その他には冷遇をもってあたるし、攻撃の対象にする。
今やるべきこと。このザル法を徹底的にあらためることだ。助成金があるのだから、なんであっても献金は止めるという制度だ。政治に見返りを求める意地汚い根性を選挙民が無くすことだ。
「井戸塀政治家」って言葉があったよな。政治家になったら、井戸と塀しか残らないという“要諦”。
おおよそ、今の「センセイ」たちは豪邸や瀟洒な家にお住まいだ。安い家賃の高級マンションまがいの議員宿舎にお住まいだ。
ザル法やめてサル法にしては如何。濁点とれば、清くなり、サルは“去る”にも通じるかもしれないし。
汚染水・・ザルの代わる妙手ってあるのだろうか。猿にでも聞いてごらん。
2015年2月28日土曜日
“チェルノブイリ”異聞
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