18歳の時、高校を卒業した。卒業式は3月25日。4月1日が大学の入学式だった。
学生服、あれを何で学ランと呼ぶのかはよくわからないけれど、同じ服で襟章を替えた。解放感があった。
煙草も自由に吸える。酒も飲めるという“不良的”な動機。
それらは20歳からとされていた。でも、周囲も世間も大学生であるというだけで扱いは20と同等だった。
その「規定」は今でも変わらない。酒も煙草も二十歳から・・・。
20歳以下は「未成年」とされている。いろんな意味で社会的に“庇護”されている。
二十歳になれば選挙権もある。
未成年による犯罪。それを犯した者に対しては、おおよそ匿名だ。無条件に匿名扱いすることに慣れてきた。
川崎であった少年殺害事件。犯人として逮捕された者はメディアの上では匿名だ。18歳以下であるから。
ネットでは実名や住所まで、学校名まで出回っているが。あくまでも未成年匿名の原則は新聞、テレビの中では貫かれている。
沖縄与那国島では住民投票を15歳以上とした。中学生にも投票権を与えた。
改憲を目指す国民投票の年齢も18歳に引き下げた。
少年、少女。未成年。それの規範がわからない。
川崎の事件、犯人の一人は17歳で妻子がいたという。10代で結婚する人達も世間では珍しくない。大人として扱われている。
確かに歓楽街では18歳未満お断りとうことにされているが。
年齢による大人と子供の判別。それが社会の実態に即したものなのかどうか。
その区分けが、必要なのかどうか。
「3・11」後、10代の若者を全く持って見直した。大人が子供に励まされ、助けられていた。ボランティア活動でも10代の若者が“主役”だった。
そして、「被災地」から発せられる子ども達、若者たちの言葉は見事だったし、胸を打ったし、ほとんどが“作為”の無い言葉だったし、行動だった。
きょう3月1日。県立高校の卒業式だ。県内でも1万人以上が「大人」の道へと進んでいく。
県立小高工業高校は、避難して仮設の校舎で3年間を過ごしてきた。生徒数も減った。近々、小高商業と合併するという。
3年間、「フクシマ」を背負ってきた高校生。彼らの心中はいかばかりかと。
仮設の校舎で過ごした3年間を嘆くどころか、そこにいられたこと、そこから得られたこと。それを誇りにすら思っているようにも見えた。
教育の在り様が、今、大きな社会問題にすらなっている。
家庭の在り方、学校の在り方、社会の接し方・・・。
大人よりも優れた子供がたくさんいる。片や凶悪な犯罪に走る若者もいる。
未成年、二十歳という民法の規定が何ほどの意義を持っているのかに疑念さえ覚える。
高校の卒業式。たびたび引いた立教新座高校の校長が、変わってなければ、あの渡辺校長が、今年はどんな式辞を子供たちに与えるのか。
あの校長の式辞に送られた卒業生たちは、その人生に中で、「座標軸」を持ったとも思えるのだが。
“不良少年”でありながらも、安保反対闘争に大いなる関心を持ち、盛り場に出ては大人の世界を垣間見て・・・。あの頃が妙に思い起こされる。
2015年3月1日日曜日
“チェルノブイリ”異聞
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