2011年7月16日土曜日

官僚達の夏

きょうも酷暑の列島かと。土曜日だけど霞が関の官僚たちはどうしているのでしょう。たぶん、いろいろやることがあるはず。懸命に働いているはず。暑さをものともせず。そう思いたい。

「官僚達の夏」。故城山三郎が書いた名作。通産官僚で、”天皇”の異名をとった佐橋滋が主人公。通産官僚たちは暑い夏をものともせず、登場する官僚たちは日本の経済成長を確たるものにしようと、己の信ずる道をまい進していた。この国のために英知を絞り、それを実現しようとしていた。

自民党政権のもと、政権が変わるたびに、永田町の政争に巻き込まれながらも、時には悲憤の涙を流し、時には政治家をうまくあしらい・・・。巨国アメリカと立ち向かい・・・。

通産省はいつしか名前を経済産業省と変えた。菅政権の下、原発を巡って経産省は「原発推進官庁」というレッテルを菅によって張られ、悪者にされた。その配下の安全保安院は「役立たず」というお言葉を賜った。デタラメな委員長を擁した原子力安全委員会が、菅の支持を得てぞろぞろ這い出して来た。この安全委員会なるものだって内閣府の「機関」なのに。

経済産業省の官僚たちの思いはいかばかりか。暑い、熱い夏をどう過ごしているのか。

痛烈に政権を批判した通産官僚は仙谷に恫喝され閑職に追いやられ、かれの識見や憂国の情はどこにも生かされない。彼、古賀茂明は本を書いた。「日本中枢の崩壊」という本を。

城山三郎は読んだけれど、この古賀茂明の本はまだ読んでいません。読んで見ようと思っています。もしかしたら日本と言う国の平成という時代にあった政治史の悲劇の「証言」となるやもしれずとの期待を持って。

官僚主導打破、政治主導。それに異を唱えるものではありません。しかし、民主党政権のやったことは官僚排除の手法。官僚の中にももちろんピンからキリあり。「夏」にも書かれたいたが、官僚は常に上位を目指す。立身出世を心掛ける。それは己が思う政策の実現を図りたいがゆえ。

排除の思想、排除の論理が今のこの国の破たんを招いている。そう思わざるを得ない。官僚たちの夏は官僚たちの反乱となって具現化している。

エリート官僚に勝れる政治家やありやと。

中枢が崩壊した中、「兵士」達はいかなる道をたどればいいのか。隊長を頼むのみ。その隊長がまたこころもとない。

八甲田山死の行軍はもう御免だ。城山三郎ももう物言わぬ人になってしまった。物言えぬ民にとって、なんとも苦しく辛い夏・・・。

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