2011年7月10日日曜日

スポーツの力

気になっていたサッカー女子のW杯。やってくれましたね。ドイツに勝利。またとない朗報。
被災地から発せらるツイッターも、この時ばかりは歓喜の声、声。

被災地や避難所。地道に活動を続けるボランティア。汗を流しながら職務にいそしむ役場の人、原発の現場で恐怖と闘いながら作業を続ける人。

人には人それぞれの役割がある。それを成し遂げているかどうか。

メディアが取り上げるせいでしょうか、いや、そればかりではない。スポーツには不思議な力が、魔力のようなものがある。

震災後、子供たちはまず最初にサッカーボールを蹴っていた。避難所で。キャッチボールをしていた。素手でも。

プロ野球選手、相撲、サッカー、プロゴルファー。彼らが訪れた避難所は歓声に沸く。みんな異口同音に言う。「力を貰った」と。
全力を挙げてプレーするスポーツ選手から何か力を感じ取る。力を彼らは発している。

ドイツ戦、ゴールを決めたのは丸山桂里奈。アシストは澤。絶妙なコンビ。

試合前、佐々木監督は選手全員に東日本大震災のビデオを見せたという。「本当に苦しい時は被災地の人のことを思って頑張れ」と言ったという。
苦しい戦いの中で、多分、彼女たちはその映像を自らの体験を思い出し、気力を振り絞ったのだと思う。

ゴールを決めた丸山。かつて東京電力の社員だった。東電のサッカーチーム「マリーゼ」の主力選手だった。
彼女の職場が原発だったかどうかは知らないが、今、事故収拾の前線本部となっているJビレッジのコートは彼女のサッカー人生の“ふるさと”だったはず。

原発事故の後、彼女のブログが炎上させられた。彼女はそのエントリーを削除した。

試合前に見たビデオ。彼女の中に期するものがあったのではないだろうか。後半交代で出場。走り回る彼女の姿には鬼気迫るものがあったように見受けられた。
そして走りに走ってのゴール。職責を全うした。

論語の一節が浮かぶ。
「衆これを悪(にく)むとも必ず察し、衆これを好むも必ず察す」。

この際、読解は不要かと。

次はー。もしかしたらゴルフの宮里藍かも。目下2位。仙台ゆかりの人。

スポーツには力がある。昨夜のNHK原発特番。延々とした議論。隔靴掻痒。
テレビに伝える力はあるのか。あったのか。

“チェルノブイリ”異聞

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