かつて戦国武将達は領内を安堵させるために、自らの領土、藩の結束を図るために敢えて外敵を作り、その敵と戦うことで内の乱れをなくそうという戦略をとっていた。
かつて、いや、今のそうかもしれないが、中国は、中華人民共和国と言った時代、外敵、特にアメリカを名指しで非難して内なる結束、十億の国民の結束を保とうとした。外敵に目を向けることで、内なる失政を覆い隠そうとした。
「敵」。それの定義は難しい。
野田改造内閣発足。記者会見の方向は政局がらみのものばかり。野田にとっての内なる敵は小沢一郎という前提にたって、解散・総選挙をにらんでの質問に終始していた感のあるメディアの立ち位置。視点。
そして今日の紙面。「消費税増税シフト」の大見出し。記者会見は議論の場ではないが、消費税や政策に関しての質問がどれだけあったのか。
小沢との対比がそれほどこの国を語るために必要なことなのか。民主党内はギクシャクしている。その一因には消費税の扱いはあるものの、メディアがすべてに小沢を持ち出すことにある。
野田は内なる敵について言及しない。野党も外なる敵としない。
消費税増税。自民党も言っていたこと。しかし、自民党の首脳と言われる人達は法案に反対だという。中味ではなく、手続き論やマニフェスト違反だという愚にもつかない論理を持ち出して。そして、あからさまに民主党を敵対視するような言辞を弄する。自民党内の「結束」を強めるためだからだろうか。
政局を好むメディア、それに乗る政治家。2011年はもはや過去のことのような。
永田町で「敵」を作り合い、それを攻撃することが、どれほど被災地に資しているのか。
福島に移住してきた“田舎暮らしライター”は、こんなことを言っている。「今回の事故で一番痛感したのは温度差だ」。「築きあげたコミュニティーが崩壊していくのを黙って見てはいられない」と。そして彼は言う。「敵は放射能じゃない。情報災害が生んだ差別と偏見だと思う」と。
会津の雪は例年より多いという。深いという。浜通りから避難しての仮設住まい。仮設が設置された場所は市街地ではない。ただでさえ降雪量の多い山の麓。
仮設の人達は、経験したことが無い大雪と言う“敵”との過酷な戦いを強いられている。そして“共存”の仕方を学んでいる・・・。
2012年1月14日土曜日
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