近所に「みゆチャン」と「かこちゃん」という二人の幼い姉妹がいます。
まだ就学前。とてもオシャマで可愛い子で、縄跳び遊びを覚えたばかりでした。
「ねえ、ねえ、ねえ」と縄跳びを迫られていました。たでさえ体力ないのに、子供の縄でとぶというのは大変なこと。背中丸めてとばないと。3回がやっと。
おかあさんと二人の姉妹は、原発事故後しばらくしてから、おかあさの実家がある愛知県に避難していました。仕事のあるお父さんは一人暮らし。お正月も一人で郡山にいたみたいです。
いつも近所にいる子供がいなくなる。さびしいことでした。
きのう、そのみゆチャン姉妹が帰ってきました。ちょっと気恥ずかしそうな表情のお母さんと一緒に。
帰ってきてくれてありがとう。また会えてよかったよ。こころから歓迎しました。
でも、今まで通りに表で遊ぶのかどうか。わかりません。縄跳びをせがまれるのかどうかわかりません。でも、いるべきところにいるべきひとがいる。
昨夜のそのお宅の灯りは妙に明るく感じられました。雪が降ってはいたけれど。
3月11日の地震の時、みゆちゃん母子は「モール」というスーパーにいました。屋内駐車場の屋根が崩れ落ち、車はペシャンコ。何キロもの道を母子は歩いて帰ってきたそうです。車はもちろん廃車。
お父さんは前と同じような車を買って帰りを待っていたようです。
表では遊ばないでも、近所の子供たちと一緒に、屋内の遊び場に行くことが出来ます。新しい車で。
みゆチャンはちょっと大きくなっていました。半年の間にみゆチャンのこころにどういう変化があったかわかりません。
3・11の前にような「普通の生活」にもどれるかどうか。わかりません。
我が家の周りの線量。最近は馬鹿馬鹿しいので測っていませんが、郡山は0,7μシーベルト前後。年間1ミリを大きく上回っています。
おそとが大好きだったみゆチャン。我慢しようね。優しいお父さんとまた一緒に暮らせるのだから。
いつになるかはわからないけど、みゆチャンとまた縄跳びが出来るようにセガワさん(みゆちゃんはそう呼びます)は体、鍛えておくぞ。
2012年1月12日木曜日
“チェルノブイリ”異聞
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