2012年1月20日金曜日

「えんぴつ」のことあれこれ

今年の芥川賞受賞者、田中慎弥さん。作品名は「共喰い」。もちろん、作品はまだ読んでいませんが。
39歳の彼はパソコンも携帯も持たず、原稿は手書き。2Bの鉛筆でカレンダーの裏になどに下書きして原稿用紙に清書するのだという。物ごころつく前から今まで、毎日本を読んでいるとか。だから書き出すと蓄積されていた言葉があふれだして小説になるという。

2Bの鉛筆に原稿用紙。おもしろい奴だと思っていたら、受章会見がこれまた面白い。まるで「人を喰った」ような会見。
彼の受章会見と相前後して選考委員やっている石原慎太郎都知事も会見。「選考委員はもう辞めた。刺激的な作品がなさすぎるから」と。それを知ってかしらずかの田中さん。「都知事閣下のために賞を貰ってやった・・・」。場外バトルというわけでもないが、両方とも名前に「慎」の字があって・・・。

朝日新聞の社内報か編集局報だったか。「鉛筆」という名前だった。今でもそうかもしれないが。一回寄稿したことあるからその名前を知っていた。原稿はボールペンで書いたけれど。たしかに昔の新聞記者は鉛筆でザラ紙に原稿を書きなぐっていた。机の上にある筆立てには削りたての鉛筆が山のように揃えられていた。今、記者会見みても、記者の机の上にあるのはパソコン。指がなめらかにキーボードの上を行き来している。メモ帳がわりにICレコーダー。

子供のころの筆記用具は鉛筆、色鉛筆。肥後の守というナイフで鉛筆を削った。時々指先を切る。痛かった。出てくる血を舐めて抑えた。ナイフは怖いと思った。今の子供たちは多分鉛筆削り機。ナイフの痛さを知らない。安全のために親も先生もナイフは持たせない・・・。

美空ひばりの多分最後のステージ。昭和63年広島。生きている間にどうしても歌いたかったという曲。題名は「一本の鉛筆」。作詞は松山善三。

あなたに聞いてもらいたい、読んでもらいたい、歌ってもらいたい、信じてもらいたい。
一本の鉛筆があれば、私はあなたへの愛を書く、戦争は嫌だと私は書く。
あなたに愛をおくりたい、あなたに夢をおくりたい、あなたに春をおくりたい、あなたに世界をおくりたい。
一本のザラ紙があれば 私は子どもが欲しいと書く、あなたを返してと私は書く
一本の鉛筆があれば、8月6日の朝と書く、一本の鉛筆があれば人間の命と私は書く。

鉛筆に託した反戦歌。

震災後、被災地の子供たちに多くの鉛筆が送られたという。その鉛筆を持って、子どもたちは、「3月11日の午後」と書くはず・・・。

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