2015年1月30日金曜日

「事実」と「真実」と

後藤さんと湯川さんがオレンジ色の服を着せられて座り、真ん中に黒い覆面をした男がナイフをもって喋る。「72時間以内に2億ドルを払え、そうでなければこの二人を殺す」。

そいう画像が公開されたことは事実である。その動画があるということは。

それが画像として「真実」であるかどうか。合成だと分析された。影を検証して。
それよりもなによりも、ナイフを頭の上で動かされて、なんら表情を変えていない二人。背景の砂漠の砂は動いていない。

あの写真は「真実」とはほど遠い。

合成とすぐばれることを承知で「イスラム国」があの映像を公開したことの「真意」、「真実」はわからない。そこからすべての“推測”が始まる。

殺されたとみられる湯川さんの写真を持った後藤さんの画像が公開された。それも事実だ。

しかし、身代金要求が、死刑囚釈放に“変更”されているということの「真実」はわからない。

後藤さんの声が公開された。それも事実だ。でも、そこにある真実はわからない。見えない。

後藤さんの奥さんの声にしてもだ。

ヨルダン政府が「死刑囚」はまだヨルダン国内にいると言った。その発言があったことは事実だ。しかし、真相、真実はわからない。

「事実」と「真実」。

原発事故があったのは事実だ。しかし、その「真実」は誰もわからない。隠されている真実もある。
県民の健康被害に関しても「真実」はわからない。

人々は真実を求める。“真実”と銘打った「情報」が流され、拡散される。
実に多くの「真実」という名の情報。
そこに確かな一つの真実があっても、それを見つけ出すのは至難の業だ。

安倍が昨日の国会で、今回の事件を念頭に、2年前に起きたアルジェリアの日本人人質事件を引き合いに、「邦人救出のために、他国の手を借りて救出された人を、自衛隊が“輸送”するだけでいいのかどうか」とし、消防士の例をあげて、リスクを恐れて何もしないでいいのかというと、そうではない」と言った。

そのために、法整備をして邦人救出に自衛隊があたるとも。

この発言があったことは事実だ。国会答弁なのだ。

しかし、この発言が「イスラム国」を刺激することになるのかどうか。安倍が実際の本音で何を考えているのか、「安倍の真実」はわからない。

「事件」はこう着状態だと伝えられる。動きが伝わってこないから。しかし、その中で何が動き、誰がどうしているのかという真相、真実は見えてこない。

イスラム国と称する“テロ集団”がいることは事実だ。しかし、その「イスラム国」なるものの「真実」はわからない。もしかしたら、当の本人たちもわかっていないのかもしれない。この事件を「指示」している人達の真意も。

事実としてきょうも人が殺されている。エジプトのシナイ半島で。兵士が警察官が死んでいるという事実。犯行は「イスラム国」に関係する組織だと伝えられる・・・。

日本の中でもある。「人を殺してみたかった」と供述している女子大生の老女殺人事件。殺人事件があったことだけはまぎれもない事実なのだが・・・。

「真実一路の旅なれど、真実鈴ふり思い出す」。山本有三の有名な作品「真実一路」。

偽りの対極に事実がある。そして「事実」の向こうに「真実」がある。そう読み取ればいいのかどうか・・・。

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