2015年1月23日金曜日
言葉の「不自由さ」
言葉は人間の意志を伝える手段である。
コミュニケションのツールである。最大の。
「はじめにロゴス(言葉)ありき」なのだが。
しかし、時として言葉の「不自由さ」を感じる。
「話せばわかる」と乱入者を諌めようとしたした首相が“問答無用”とばかり撃たれたように。
万国共通の言語は無い。言葉で意思を、その通りに伝えられるかというと、そうもいかない場合もある。言葉ではうまく表現出来ないという場合も。
「イスラム国」に拘束されている後藤健二さんの母親が記者会見の臨んだ。
外国特派員協会の要望によるものか、自身の意志でそういう場を選んだのか。
経緯はわからないが。
石堂順子さんというその母親は、息子のことを縷々説明し、イスラム国に入った動機も説明した。
母親として息子の無事と解放を訴えた。
彼女の意志が「イスラム国」に通じるだろうか・・・。
他国の人と会話する時には通訳が必要となる。その通訳が、真意をきちんと汲み取り、相手側に伝えられるかどうという問題もある。
後藤さんが「イスラム国」に入って拘束された時、その意思が人道支援であるといくら言ってもあの集団には通じなかった。通訳がそこに居たかどうかも含めて。
「不自由さ」とは、思うままにならない、不便だという解釈で書いている。
安倍がエジプトで行った演説、ISILに言及した部分も、ある意味不自由さによろものかもしれない。こっちは「そういうつもりで言ったのではない」といい、あちらは「あきらかに敵視したもの」と受け止める。
だから安倍は言葉を選ぶべきだったのに・・・。
言葉の行き違い。という事がままある。言葉のやり取りで人間関係が阻害されることも日常多々ある。
ウエブサイトからは「イスラム国」のメッセージが伝えられる。殺害を断行するというような。
その言葉の真意を我々は理解できない。
石堂さんは記者会見で「しゃべり過ぎた」とも思う。多くのことを語り過ぎたの感ありだ。非難しているわけではないが。
“原発”に言及すべきではなかったと思う。反原発を言えば、同じ国民の側からも「反発」が出る。政権だって面白くないだろう。
母親として「情に訴える」ということだけでよかったのではないかとも。
彼女の会見は「記者団」を納得させたかもしれない。
しかし、母親の訴えがあのテロ集団に届くとは思えないのだが。
彼女の言っていることは正しいと思う。
でも、時と場合で言葉を選ぶべきだったのではないかとも。
テロリストたちに通じる言葉はあるのか。話し合いの余地はあるのか。言葉による。
交渉とは話し合いとは違う。交渉には「カネ」が伴う。今回は特にだ。
テロ集団が信じる言葉はイスラムの預言者の言葉だけだろう。それとても勝手に解釈されているように。
傍観者のようなことを書いている。傍観者でしか在り得ないから。
言葉の不自由さ、不自由な言葉達。そこからの“出口”は見いだせないままの“言葉”をめぐる一つの問いかけ。
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