2012年7月8日日曜日

「カエルの記」

本日はちょっと音楽関係でお仕事。磐梯熱海へ。ただいま帰宅なのであります。熱海までのドライブ、なんと同伴者は蛙クンでした。

梅雨の朝。窓をあけると途端に飛び込んでくるカエルの大合唱。家の周りの田んぼから。これが好きなんです。蛙の大合唱が。そして玄関の周りは小さなカエルくんが、大勢ちょろちょろ。踏まないように。ここ数日は特に。

蛙の大合唱。オノマトペではなんと聴くか。ゲロゲロかギャロギャロか、ゲコゲコか。田舎ならではのこの季節の風物詩。

で、熱海に向かおうと車を。開けた窓の隙間から入ったのでしょう。小さな緑色のカエルくんが、窓際に。車を走らせていて気づいたカエルの存在。
窓を開けて出そうと・・。いや、ダメだ。やっては。ここで振り払ってしまえば、車に轢かれる。それに元の田んぼに帰ろうと思っても帰れっこない。

実は蛙は苦手なんですが、束の間の同行者と決めました。チラチラと蛙をみていたのですが、いつの間にか姿が見えない。窓から落ちたのか。いつも癒されているのに。蛙クンの鳴き声には。意気消沈。

目的地についてドアを開けると、床のほうから這い出してきたのです。蛙くんが。チビが。

思わず携帯で写真に撮って、フェイスブックに。仕事の合間に。青蛙で有名な川内村の平伏沼。その川内村に最近まで居を構えていた作家の鐸木さんが、コメントくれました。カエルの研究家なのかな(笑)。

「ニホンアマガエルですね。挟まれてつぶれなくてよかった」と。

目的地で降りる時、窓を閉めて、カエルくんに声を掛けました。待っててね。一緒に帰ろうよって。

お仕事終わって。車のドアを開けてカエルを探す。いません。見えません。5分くらい車の中を探したのですが。ドアを開けた瞬間に外に飛び出したのか。隅の方に隠れているのか・・・。
朝方は涼しかったけれど、気温は上昇。車の中で熱中症にでもなってしまているのか。外の落ちたのなら、近くに水場はあるし、森もある。でも、迷子の蛙くん。どうするんだろう・・・。

帰ってきて、また車の中を探索。見つからない。まわりではゲコゲコの大合唱。親蛙が子蛙を心配しているのか。結局行方不明・・。窓を開けておきました。もしどっかにいるのなら出て行くだろう。仲間のとこに帰るだろうと。

フェイスブックのキャプションには「蛙(かわず)とて、遊びせんとや思いけむ」なんて書いてきたけれど。蛙クンは危険な遊びにはまってしまったのです。

窓外から聞こえてくる蛙の鳴き声。なんとなく自責の念にかられます。きょうばかりは。

川内村はじめ避難してきている人たちは、仮設に蛙の置物を置いている人がそこそこ居ます。蛙を帰るにかけて・・・。

うっかり車に乗ってしまったために帰れなかっただろう我が家の近くのカエル。
うっかり避難用のバスに乗ってしまい、いや、乗らざるを得なかったのだけれど、帰る家がありながら帰れない人達・・・。

仮設の人達は毎日蛙の声を聞きながらなんと思っているのでしょうか。癒されているのか、望郷の念に駆りたてられているのか・・・。

蛙だって仲間と一緒の方がいいに決まっている。仲間と一緒に家に帰りたいと思っている人たちもいる。

ちょっと辛い思いのする今日。かえるの記。

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