別に朝日新聞を敵視しているわけでもなんでもなく、優れた新聞であるとは思っています。
きのう、子供の甲状腺被曝にかんする記事へ疑問を呈しましたが、あの記事は「反響」を呼んでいるようで。記者やデスク、編集委員会への疑念にもつながってたようです。
今日の朝日新聞。同じ記者が書いていました。甲状腺被曝の問題について。今度は一面トップって扱いではなく、34面、昔風に言うと第二社会面。中くらいの記事。
「甲状腺被曝、解析値下がる」。「実態を考慮し計算、3月評価から半減」との見出し。
弘前大学の医療総合研究所教授やロシアの放射線衛生研究所の教授らによるもの。3月に公表した被曝線量を再解析した結果だとか。最大限の被曝を想定した3月の線量に比べて半分以下になっており、最大は33ミリシーベルトという解析結果だとか。
きのうは放医研、きょうは弘前大学。詳細計算と再解析とどう違うのかも含め、等価線量か実効線量か預託線量かが、相変わらずわからない。等価線量と実効線量とでは20分の一も違ってくる。
いきなり素人談義をすれば、過日の報道に対する“言い訳”というか、“訂正”というか。
結局、何が何だかわからないってことに。
事実と真実。そのはざまで揺れるマスコミってことか。
滋賀県のいじめ自殺問題。子供が自殺したことは「事実」。しかし、その「事件」の「真実」は。教育委員会の話、学校現場の話、生徒たちの“証言”。いろんな角度から並べてみても「真実」は見えない。
「真相」として見えてくるのは、教育現場の責任逃れ体質とか、混乱、荒廃ぶりだけ。
警察の手を借りなければ「真実」をうかがい知ることは出来ないってこと。
マスコミによる人権侵害。放送界にはBPOっていう機関があり、該当する事案があればそこで審査し、何らかの措置が行われる。
朝日新聞対読売新聞の「巨人軍契約金報道」をめぐる争い。朝日新聞が設けた、いわば第三者委員会のような「報道と人権委員会」の報告書がかなりの紙面を割いて掲載されていた。もちろん朝日に「非」なしとの結論。報道は真実だ。と。報道と取材に問題無し。と。
人権やプライバシーに関することでの委員会。新聞社ももちろん“誤報”をやる。大きな見出しや、大量の記事で。誤報がわかってのお詫び、訂正はベタ。ほとんど見過ごすような扱い。
政府も信じられない。東電も信じられない。学者も信じられない。不信が渦捲く3・11以降。
せめて、お願い。マスコミだけには頼りたいと願うのだが。まともなことを伝えてくれる再後の砦だと思いたいのだが。
2012年7月13日金曜日
“チェルノブイリ”異聞
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