2012年7月23日月曜日

「嘘」をめぐるあれこれ

子供のころ、「嘘をついてはいけない」とよく諭されました。嘘はわるいことだと思っていました。でも、嘘をつい言ってしまう。祖母から言われる「嘘は泥棒の始まりだよ」と。俺、泥棒じゃないから・・・。

その晩、唯一の娯楽。ラジオを聴いていたら落語で誰かがやっていた。
「お釈迦さまも言ってらあな、嘘も方便、ところによっては真となるってね」。

子供な単純に思う。あの偉いお釈迦さまだって嘘は真になるっていってるじゃないのかと。

この辺から世の中のことが。だんだんわからなくなってくるのです。

「嘘から出た真」ってのもあった。

嘘をめぐる田中角栄の“名言”がある。
「世の中には、他人様の噂話や伝聞をいつもポケットに入れて、それを言いふらすことで一日を回しているアホな奴らがいる」。
「嘘も毎日ついていれば真実になる」。

田中角栄は本人の性格もあったのだろう。たしかに“ウソ”は言わなかった。オール オア ナッシングという言葉を好み、イエス ノーをはっきり言えというのが口癖だったような。

出来るものはやると言った。出来ないことは無理だとはっきり言った。やると言ったことはやった。

そして言う。総理大臣には一つだけ許されている嘘がある。それは“解散”だ。前日まで解散はしないと言っていて、突如解散権を行使してもそれは許されると。

さらに彼の語録。「国会というとことは何でもできる。男を女にすること以外は」。
たしか、大学管理法案の時だったか。与野党合意が出来て成立させるための参院本会議。時間切れ。彼は事務局に命じて本会議場の時計を止めさせた。針の進行を遅らせた。本会議場の時計が止まっていることは全員承知。議場には止まった時計を見て「うお~」という声が上がったが、議事は着々と進行していた。法案成立と同時に、夜中の12時に時計は動き始めた。
表に出たら空はすっかり白んでいた・・・。彼がやってのけた“偽計”。それも“ウソ”だと言えば“ウソ”になるが。

そして今の世の中。あまりにも“嘘”が多すぎる。政治家は出来もしないことをやると言い、ジャーナリストを称する奴は噂話や伝聞を持って回り、発信している。

偽装、隠ぺい。要は嘘である。嘘が嘘を呼んでいる。線量計を鉛で覆っての被ばく量偽装。ありもしない福島の実情・・・。挙げればきりがない。

「下手な嘘」がまかり通っている。いじめ問題とて然り。

一回嘘をつくと一生嘘をついて暮らさなくてはならなくなる。逃げなくてならなくなる。関係者みんな逃げているような印象のいじめ問題・・・。

政治の嘘にはもう慣れっこになっているかも。でも、その嘘は誰かが暴かなければならない。暴くのはマスコミ。
かつて原子力関係者が言った。「放射線漏れよりも情報漏れのほうが怖い」と。

これですよ。これ。

でも・・・。マスコミも、それが故意でないと、好意的に見ていても、やはり報道に嘘がある。結果としての嘘も含め。

ジャズのスタンダード曲にIt's a sin to tell a lieという曲がある。まさに邦訳、「嘘は罪」。男女の愛の駆け引きを歌ったものだけど。Sinとは法律的な罪ではない。宗教上の罪という意味。

政治家の言辞は皆、sinなのだ・・・。

“チェルノブイリ”異聞

  ロシアがウクライナに侵攻し、またも多くの市民、日常が奪われて行く。 ウクライナという言葉、キエフという言葉、チェルノブイリ・・・。 そう、あの最大の原発事故を起こした地名の幾つか。 「チェルノブイリ原発事故」。1986年4月26日。 ウクライナの北部にあるその...