選挙の前も後も、投票所に行かなかった人達の声を多く耳にした。目にした。
「選挙なんて関係ない」「どうしたらいいかわからない」「投票したって何も変わらない」「誰に、どの党に入れたって同じでしょ」・・・。12月14日が投票日である事すら、選挙があることすら知らない人がいた。
その人たちを決して責めているわけではない。責めるつもりで書いているのではない。
棄権と言う、自らの権利を棄てたということをあげつらうわけでもない。
政治が面白ければ、政治が楽しければ、政治参加をするだろう。投票と言うじぶんの意志が反映されるような制度だったら行くのだろう。
政治に魅力が無くなった。その非は主として政治の側にある。
ひきつける努力をしてこなかった政治の側に。
それを承知の上で、行かなかったキミ達へ、あなた方に言う。問う。
「変わらないから行かない。それは変わることを望んでいるからではないのか」と。
昨夜テレビでこんな光景を目にした。投票日、昼は友達とランチの約束をしている。夕方からは友達とのパーティーがある。だから選挙には行かないという人だ。
友達に都合でランチは無くなった。時間が出来たのでカフェに行く。カフェでその子は勉強を始めた。大学の勉強だ。
勉強するとはどういうことだ。良い成績を取って、いい会社に就職したいということか。なんにせよ、キミは今、成長するために、つまり自分を変えるために勉強しているのではないか。
自らの力で自らを変える努力をしているとうことではないのか。
もし、キミのよく行くカフェの値段が上がるかもしれない。友達との楽しいランチの値段も上がるかもしれない。行く回数が減る。キミは怒るだろう。
値段が上がるのは政治のせいなのだ。
政治は決して日常の生活と無関係ではないのだ。
例えばキミは服を買いにいったとしよう。誰かが勧めた服をそのまま買うか。自分の好みに合わないものは買わないだろう。選択するだろう。
与えられた環境の中で、キミは常に満足しているのか。その中で生きることに。
そうではないだろう。
もし、道で、杖をついて横断に困って居る人を見かける。優しいキミは、介助を申し出るだろう。それとも他の誰かにそれを託するのか。
もし、キミの家の近所にご飯を食べていない子どもがいたとする。そこ子が飢えを訴えて来た時、優しいキミはその子にパンを分けてやるだろう。
ご馳走さまと言って帰るこどもを笑顔で見送るだろう。
その時、キミは考えるはずだ。なんで歩くのも困難な人が歩いているのか。
なんで、子供が餓えているのかを。
政治に直結した問題なのだ。
変えるためには自分がかわらなければならない。この言葉をよくかみしめて欲しい。
キミ達が政治を見捨てても、政治はキミたちを見放さない。あらゆることで“関与”してくる。それは税金であり、賃金であってもだ。
人間は楽しいのが一番いい。しかし、今だけの楽しさに目をくらませてはいけない。今の楽しさはキミの長い人生の間に永遠に続くものではないのだ。
誰しもやがて年老いる。
楽しさだけに埋没していたのでは、そんな楽しさが得られなくなった時、キミは後悔するはずだ。
あの時、もうちょっと政治に関心を持っていればと。
私たちが投票に行かなくても、誰かがどうにかしてくれる。私の一票なんて。そう思うことも分からなくはない。
しかし、それを「受け身の楽観主義」と呼ぶ。
さっき書いた洋服の話しだってそうだ。常に受け身でいられるか。受動的でいられるか。自分で選択すると言う能動的行為をやっていりではないか。自分をより美しく見せるための。
台湾でも、香港でも、自分たちの権利を守ろう、環境を変えようと立ち上がっていた若者がいた。
日本にもかってはそういう若者もいた。
その結果がどうだったかは問題では無い。結果がどうであれ、その道を選ぶかどうかの問題だ。
これらは老人の繰り言かもしれない。でも、今、ボクの身近に選挙権を持った若者がいたら、たぶん、こんなことを延々と語っていたのかもしれない。
そして言う。教育とは受け身で知識を身に付けるということではない。考える力を養うことなのだと。
2014年12月16日火曜日
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