大義なき解散と言われ、争点無き選挙だと言われた。
最初はアベノミクスなる経済政策、消費税の増税延期、それが争点だといい、
「この道しかない」と政権側は言った。
安倍の土俵で相撲を取るということ。ーーそんな事を書いてみた。
メディアもこぞって「争点無き選挙」と書いていた。そんな“風潮”を潔しとしなかったのかどうか。
争点は有権者が決めるもの。そんな社説や論調が現れ始めた。
一見、合点がいくようで、合点がいかない問い掛け。
あまりにも、的確な表現かどうかはともかく、「哲学的」とさえ思える投げかけに思えたから。
メディアとしての格好いい綺麗ごとのような、相も変わらぬ「放り投げ」と読めてしまったから。
福島の有権者は、何を争点としてほしいと思っているか。簡単に「復興」の二文字で片付けられてしまうことへの大いなる違和感があったはず。
12万人の仮設や借り上げ住宅で慣れない暮らしをする人達。4万人ともいう県外避難者。
それらにどういう眼を向け、対策を言うのか。それが「福島」の争点。
1Fの処理、汚染水。原発事故の後始末。
除染・・・。
彼らにとっての喫緊の課題は俎上に上らない。
有権者に争点を丸投げしていたメディアも、その愚に気づいたのか。メディアの側から争点を書き始めた。
もちろん、アベノミクス、経済政策もあるが、「経済・安保・原発、幅広い争点」と書きはじめた。
しかし、その原発とは「再稼働」の話しであり、福島のことでは無い。
昨日の安倍の相馬入り。滞在わずか1時間足らず。せっかく福島に足を運んだのだ。見て回る、話を聞いてまわるところも多々あったろうに。
案の定、聴衆からの反応は冷めたものだったと聞く。
遊説日程は自民党の事務局が決める物ではあるが・・・。
大義なき解散は、選挙で勝つための各党の戦術に移っている。候補者調整含め、仁義なき戦いが展開されているようにも映る。
大義にしても仁義にしても、そこにある「義」とは何ぞや。
新聞もテレビもこぞって各党党首の討論会をやっている。討論会では無いな。あれは。主張、意見の開陳の場でしかないな。
1局みればもう見なくてもいい。同じことの繰り返しなのだから。
なんだかんだと言いながら、野党もすっかり安倍の土俵に乗っているし。
アベノミクスは失敗だったと言い募るけど、そんなこと先刻承知の介(笑)。
沖縄は全くと言っていいほど“争点”のもされない。争点どころか言及すら無い。
選挙の「興奮」もあまり感じられない。
所詮は「数」を争うだけの選挙なのだろう。
「3・11」後、日本という国は「変わる」ことを誓ったはずだ。でも、結局、何も変わっていない。
選挙の在り方も。
とにかくわかっていること。それは2年余りのちには消費税は10%になるということ。
その時になって、嘆いてみてもすべては後の祭りなんだけどな。
「一国の国民は普通、自分たちの平均的レベルを超える国会議員を持つことは出来ない。また一国の政治が総理大臣の器量を超えることは無い。
国家の価値は、結局、これを組織する人民の価値である」。
英国の哲学者、ジョン・スチュワート・ミルの至言だ。
だから争点は有権者が決めると名が返されたのかもしれないが・・・。
2014年12月3日水曜日
“チェルノブイリ”異聞
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