2014年12月29日月曜日
首相の“名言”
かつて、竹下登が首相に就任した時、こんなセリフを吐いて煙に巻いていた。
「歌手1年、総理2年の使い捨て」。
ズンドコ節を借りて「10年経ったら竹下さん」などの名セリフも。そう、雌伏10年どころではなかったが。
竹下内閣は1年ちょっとで終わりを告げた。
小泉純一郎は吠えた。「自民党をぶっ壊す」と。
結局、なにも壊れなかった。
“巨大自民党”が「誕生」しただけ。
岸信介の“名言”はなんと言っても「声なき声を聞け」。安保改定の時だったが。
その孫の安倍晋三は昨夜、横浜であったサザンオールスターズのコンサートをご夫妻で鑑賞。ご満悦のご様子だったとか。
何を思ったかステージ上で桑田圭祐は歌詞にアドリブでこういったという。
♪解散なんですと無茶を言う♪。
会場は大喝采。これを声なき声と聞いたか、声ある声と聞いたか。安倍はのけぞっていたというが。
田中角栄にはいろんな語録がある。その一つ。
「戦争を知っている奴が世の中の中心である限り、日本は安全だ。戦争を知らない奴が出てきて日本の中核になった時、怖いなあ。しかし、勉強して貰えばいいやなあ」
石破茂は角栄派にいたはずだ。
「新聞は嘘ばかり書いている。記事の中で嘘が無いのはラ・テ欄と死亡記事、それに、株価だけだ」。
新聞が角栄批判を書きまくっていた頃、彼は言った。
「批判するのが君らの商売。書きたいように書けばいい。その批判を無くするような政治をするのがワシ等の商売だ」と。
そして総理大臣の辞任声明。
「わが国の前途に思いをめぐらすとき、私は一夜、沛然として大地を打つ豪雨に、心耳を澄ます思いでございます」
「沛然」とは雨が激しく降る様子を指す。
きょうのそぼふる雨が、その雨を見ながら、角さんの言葉のいくつかを思い出している。
心耳と言う言葉。安岡正篤氏が、添削にあたり、「心」という字を入れたという。
安岡正篤氏とて、田中を「惜しい奴だ」と思ったからだろう。
目下、安倍語録は「この道しかない」だ。
その道が善政なのか悪政なのか、わからないが。
政治学者二人の対談をどこかで読んだ。こんな指摘があった。安倍について。
・・・私が第1次安倍政権のときにしたインタビューでも、「自分は小泉さんのようにはしゃべれない」と話していた。被害妄想、コンプレックスがあるんでしょうね・・・。
・・・小泉さんはテレビ向けの政治家だったけど、安倍さんはツイッターやフェイスブックで訴えるインターネットの人と感じます。
感情的になればなるほど、盛り上がる。感情を表に出して好きなことを言って、賛否両論が入り乱れて“炎上”しても気にしない。キレ芸。その割には支持率が下がることもない・・・。
そういえばテレビで「キレて」いたな選挙中。
そういえば安倍のフェイスブック、明恵夫人のフェイスブック。両方フォローさせていただいている。
安倍のフェイスブックには確かに多くの「いいね!」が押されている。数千人が、いや時には万か。
かつてはコメント欄に批判する意見が書き込まれていた。いつの間にか、そんなコメントは見られなくなった。
推測するに、“管理”は秘書か事務所の人間がやっているのだろう。批判的意見は見せないようにしているのかもしれない。
だめだよ。“裸の王様”になっちゃうぜ。
選挙後あった夫人の投稿。
「主人と二人、半沢直樹をみています」。あの俳優の写真つきだ。あの“倍返し”という名セリフの。
誰に、どこに「倍返し」をしたいんだろうな・・・。なんて思ったという蛇足。
夫人のフェイスブックでは批判的コメントも削除されている気配はきょうもなかったけど。
雨が雪に変わりそうな気配だ。
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