2013年3月19日火曜日

「東京」って何ですか・・・

昨日から今日にかけて、またもや東京電力福島第一発電所での「騒ぎ」が伝えられている。
停電、冷却の“不具合”・・・。そして出回るデマ、デマ。まことしやかな。
何処発だかわからないけど。

そして思ってしまう。東京にある東電本店や官邸の、一昨年と何も変わっていないような“伏魔殿”的やりかた。

あの「収束宣言」はなんだったんだと。
現場の作業員たちは冷静に事に対処しているらしいが。それとて一昨年と同じ。

「分断と対立」を語る時、福島の対極として東京が語られます。
それは、あの原発事故後、福島で作られていた電気が東京のための電気だったということが、大方の人に伝わって以来・・・。

そして国の中枢が東京に存在し、東電の本店が東京にあり、福島を論じる人達の多くが東京の人であるという意味合いからしても。

福島の対極、時には敵視される東京。その東京って何だろう。単に国の中央だけということか。地方からあらゆるものを吸い上げていく“吸血鬼”っていうことなのか。東京人とは・・・。

江戸っ子といわれます。東京に住んでいる人のことをいうのではありません。少なくとも親子三代、江戸に住んでいた人達。東京に住んでいた人達をいいます。
江戸っ子、いま東京にどれくらいいるのでしょうか。

東京人と言って“気どっている”人達。その大半は、いや、多くは、皆、地方出身の人達です。

高度経済成長期、貧しかった双葉郡の子供たちは、人手不足に悩む東京の町工場や中小企業に「集団就職」という形で迎えられました。金の卵と呼ばれました。マスコミが勝手につけた造語かもしれませんが。
常磐線は多くの働き手を東京に送っていたのです。

大人になった彼らは、中には故郷に戻った人達もいます。しかし、その多くは、東京に留まり、やがて、居を構え、家族を持ち・・・。東京人になっていきました。

住んでしまえばそこが「故郷」ということかもしれない。今、東京に住み暮らす福島県人は、福島をどう見ているのでしょうか。

“旅人”として福島に来る福島県出身者もいる。東京を安住の地と決めてしまった人もいます。東京の大学に進み、そこで就職し・・・。

集団就職は福島県だけではなく、東北の各地からも行われていたことなのですが。

登山家に田部井淳子さんという人がいます。彼女は三春町の出身です。彼女から直接聞いた話です。
彼女は東京の昭和女子大に進学しました。なぜか彼女の中に「福島コンプレックス」がありました。友達との会話が苦手でした。東京弁には、イントネーションも含めて馴染めず、会得出来ず、悩んでいたということです。
どこかで彼女は福島を「封印」していたそうです。それは、訛りが蔑視の対象であったから。

エベレスト登頂に成功した時、あの山の頂で彼女は思ったそうです。眼下の光景を見ながら。
“福島”を封印してきた私は間違っていた。山を降りたら正々堂々、福島県出身の一人の女に戻ろうと。彼女の心の中にあった靄はすっきりとはれたそうです。

時々テレビに出る彼女は福島訛りそのものだ。

盆、暮、正月の恒例行事Uターンラッシュ。それは東京に住んでいる人達の多くが地方出身者であることをうかがわせる光景だ。
盆、暮、正月の東京は、驚くほど人が居ないし静かな所だし、空気も綺麗に感じられた。

だから、この国の姿を語る時、安易に東北対東京という対立軸で語ってもあまり意味をもたないのだとも。
そもそも「東京」という定義は無いに等しいのだから。

東京とは何か。あらためて東北の、福島の視点から考えてみることなのかもしれない。その観を強くしています。

塾の講義で、敢えて東京を北と呼んでみました。それは南との対極として。北は先進国、南は今で言う開発途上国に置き換えて。

そして東北の人間がややもすれば陥りがちな「東京観」。受身の楽観主義と根拠の無い楽観主義で捉える「東京観」に警鐘を鳴らしてみました。

ボクは東京出身です。でも復興長屋に移り住んできた、もともとは関西人。東京都は根無し草の、デラシネの集まりだと、今でも思っているのですが。

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