2013年3月27日水曜日

「宴のあと」

もう半世紀も前だったか。三島由紀夫が書いた小説「宴のあと」。東京都知事候補だった有田八郎と白金台の料亭、般若苑の経営者畔上輝井を主人公にした小説。それを有名にさせたのは「プライバシー裁判」という言葉。
言ってみれば、モデルであった人達が三島や出版社を「プライバシーを侵害した」と訴えた事件。プライバシーという流行り言葉の発端だったような。

その般若苑は、倒産し、売りに出され、そして数年前に解体された。その跡地に「白亜の殿堂」が立っている。

白金台の目黒通りから1国に抜ける細い道を入っていったところ。白亜の殿堂の前には警備員が数人配置され、周囲の住宅には「建設反対」と書いたのぼりが今も立っているはず。

経緯は知らないが、その家の持ち主、住民は孫正義。ホワイト犬の総帥。近くのマンションの5階位から見るとその家の全貌が見える。とにかく大きい。豪邸。屋根にソーラーパネルがついているかどうかはわからないが。
表札がかかっているかどうかは知らないが。

一昨年、たぶんこの豪邸が出来ていたかどうか。その頃、孫は菅直人と共に、自然エネルギー、再生可能エネルギーの旗を振り、テレビカメラの前で二人で狂喜乱舞し、被災地に大金を支援し、(それがどうだったかもわからないが)、時代の寵児になっていた。

何故か今、原発反対の声はあるものの、あの「エネルギーの転換」という空気はどっかに消えて行ったような気さえする。少なくとも政権は原発再稼働に向けて舵を切った。

原発に変わる代替エネルギー問題。あの騒ぎ。まさに「宴のあと」といったような感あり。

バブルという時代があった。皆、バブルに酔った。それが道を間違えているとは気付かずに。ネットバブルという言葉もあった。その寵児はホリエモン。
今日、仮釈放されたと言う。

バブルの崩壊。まさに「宴のあと」であった。

破壊された原発。その悲惨な光景、人が住めなくなった土地。それも、一時は原発マネーが動き、さまざまな人がその恩恵に浴した「宴のあと」のような光景。

そして、この国は、新たな「宴」を求めて歩を進めようとしているように見えてならない。実態は何処にも無いのに、景気は上昇するという宴を夢見て、株価は上がり、高級時計や宝飾品が売れに売れ、気分はどこか“バブルの再来”になったような人たち・・・。

被災地の一部でも、一時復興バブルと言われた。仙台の町がそうだった。すでにして遠のいた雰囲気だと言われる。

東京では桜が満開だという。桜の下で、宴が繰り広げられている。桜の宴はすぐに終わる。そのあとは・・・。

“般若苑”、孫正義邸、目黒通りを挟んだ北側、そこにはかつて吉田茂が好んで住んでいた外務大臣公邸があった。自然公園に変わっている。そこもかつては桜の名所だった。

般若苑事件、プライバシー裁判、その終焉を迎える時に、安倍晋三の祖父、岸信介も介在している。

桜便りが伝えられる度に、なぜか浮かんでくる三島由紀夫。そして般若苑跡地・・・。

般若苑の近くには藤山愛一郎の邸宅もあった。その後は・・・。マンションになっているとも聞く。藤山愛一郎もそういえば“宴のあと”のような人生だったのかも。

白金台の住民の一人が言っていた。孫邸は地下20メートル掘り下げられていて、シュルターが完備されているって。

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