昔あった映画。“セックスと嘘とビデオテープ”。ふと、そのタイトルが浮かんだだけで、特に深い意味はありません。ただ、政府の「嘘」に対する“絶望感”との関連だけで。
放射線量、被ばくの多寡、それの影響。それは「確たる知見の無い領域」なのだ。
確たる知見が無いから、あるものをすべて公表して共通のテーブルに乗せ、皆で話し合うこと肝要なのだ。
「早期帰還」「帰還促進」が目的だったのかどうか。
被ばく線量を空間線量ではなく、個人線量計による測定に切り替えた。
個人線量計をによる被ばく推定値を政府は研究機関なるところに委ねた。出された報告は政府の予想を超えるものだった。思惑が外れた。
政府は、おそらく「帰還」に影響が出ると思ったのだろう。時あたかも都路地区では一部で帰還が始まっていた。
その結果を隠した。公表しなかった。
除染問題もからんでくる。やはり線量は高かったとは言えない。隠した。
もはや、何事も隠し通せるわけがない。内部告発やメディアの力で、それはバレる。
嘘は隠さねばならない。隠すためにまた嘘をつく。“嘘の上塗り”。だ。嘘が、隠ぺいがバレるとどうなる。不信を増す。不信の中では物事は解決しなくなる。
いまだ、福島県では、さまざまな「嘘」がまかりとおっているということ。
帰還がはじまった都路地区でも外に出ない人は年間1ミリシーベルトを下回っているが、農作業に従事する人の線量は2ミリシーベルトを超える。
まして付近の山林の除染は手がついていない。
いやたぶん無いだろう・・・。
こんなことは今“帰還”がいわれている川内村や飯舘、伊達市でも同様だ。いや、飯舘では屋内で働く人だって最低3,8ミリシーベルトだともされる。
どこも生業は農業だ。
1ミリシーベルトと20ミリシーベルト。まさに「未知の領域」の中で、1ミリという数字が“定着”してしまった中で。
都路地区の人からは「騙された」という言葉がでるようになった。
福島県の最大地銀の元頭取、地銀協の会長や福島市の会議所会頭もやったひとはいう。東邦銀行の瀬谷俊夫という人だ。
「20ミリを許容しない限り、経済の回復は望めないと」。そして「原発は再稼働すべき」だとも言う。
それに拍手を送る人だっている。県内に。
東京品川の城南信用金庫の理事長は、いち早く原発反対を打ち出し、消費者優先社会への警鐘を鳴らす。
1ミリシーベルトと20ミリシーベルトの狭間で揺れている「フクシマ」。
未公表の罪は事務方の責任にされ、政治家は知らなかったこととされる。
3年前と変わらない構図。
信頼関係はことごとく消えていってしまったような。不信の中での話し合い。
たぶん、政府の思惑通りには「帰還計画」は進まないだろう。その工程は大きく狂うはず。
雑多な意見をまとめる作業は至難の業になってくる。
「他人を説得するためには信念を与えねばならず、信念を与えるためには信頼を与えねばならず、信頼を与えるためには正直でなければならない」。
そんな言葉を目にした。
少なくとも国は、あまねく「正直」でなければならないはず。
映画の表題。セックスとは「欲望」。それはあまねく電気を求めた社会。ビデオテープは、パソコンの中に保存されているファイル。
そう置き換えてみれば、「嘘」の根源が見えてくるような。
韓国の旅客船事故、惨事。みすみす失われていく人命。ただうろたえているようにしか見えない韓国政府。
あの時の日本政府の姿がかぶってくる・・・。
そして原発事故も旅客船事故も、航空機の事故も。いつ、どこで起きるかわからない。それはあり得ることなのだから。
2014年4月20日日曜日
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