家の時計が、なぜか数個壊れた。電池を入れ替えても、動いてはいるのだけどまったく時間が合わない。
仕方なく、近所のホームセンターなるところに時計を買いに。
そして驚きました。置いてあるのは全部「電波時計」なんです。完全なデジタル時計なんです。そして、安い。1,200円くらいのものを二つ買ってきました。
なんという“アナログ人間”だと笑われそうですが、もはやねじまき時計というか、時間合わせをする時計は希少価値の、そして時代遅れのものなのでしょうか。
車の時計は、それでも、時々は時間合わせをしないと数分狂う時があるのだけど。
目の前にある時計が1秒ごとに時間を刻んでいる。
時間に「管理」されているという感覚です。デジタルの電波時計が正確に時を刻む。
「いやあ、時計が狂ってまして・・・」。そんな遅刻の言い訳なんて通用しないんですね。
最初の持った腕時計はリュウズを巻くものだった。それから小さい電池のものになった。長い針と短い針が動くものだった。
買ってきたのは数字で表示されるもの。
針だとなんとなく時間の感覚がつかめるものだけど、数字の表示は「その時だけ」が示されているようで。
そして思い出した。時間のこと。
日本標準時。JSTといったかな。それは兵庫県の明石と福島県の都路にある電波塔、正式名称は標準電波送信所。都路と川内村の境にある大鷹鳥山山頂付近にある。そこから発信される電波が日本の半分の時間を決めている。
国道288号を東南に行くと都路大橋の手前あたりに、電波時計の看板がある。今でもあるのだろうか。
4年前の地震で、電波塔は“破損”し、しばらく停波していたが、5月ごろには復旧したと聞いていたが。
電波塔のあるあたりの放射線量はどうなのだろう。なぜかっていうと、都路は「帰還問題」で揺れているから。
マスコミの話題にはのぼらないが、電波塔があるってことが、かつては都路の人たちの“自慢”だったし・・・。
たぶん、今、目の前にある時計も都路の電波を受けて動いているのだ。
子供の頃、家には柱時計があった。どこの家でもそうだった。一日一回、ネジを巻かないと時計は止まる。ネジを巻くのは子供の仕事だった。
時間の数だけ音が鳴る。半になると音は一回。鳴り始めるとなんだか自然にその数を数えていたような。時計の音を合図に生活が回っていたような。
大きな古時計という歌がある。最近知った。その歌のズズー弁バージョンというのがあることを。秋田県出身の伊藤秀志という人が秋田弁で歌っている。それは、まるでフランス語のようなのだ。
はまってしまった。
♪でっげぐて 背の高げ 古くせ時計っこだば・・・♪
方言の、訛りの塊のような歌詞。それは、無性に暖かい。
デジタル機器など何も無く、いや、そんな言葉さえなかった無かった時代。
柱時計のあった時代。
理屈なく「いがったなあ~」って時代。電波時計は無音だ。一切手間はかからないけど・・・。不便な時の方が、面倒な時の方が、生活にリズムがあったよで。
居間の時計はまだアナログ。いつも時の刻みが遅れる・・・。
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