2014年4月1日火曜日

「身の丈に合う」ということ

衣服などが背丈、体の大きさにぴったり合っているさまなどを意味する語。転じて「分相応」という意味で用いられることも多い。

辞書で「身の丈に合う」と引くとこう出ている。

子供の頃、身の丈に合わない衣服を着ていた。祖母の着物のおさがり。貰い物の洋服。大きいのを無理やり。「大は小を兼ねる」って言葉を教わった。

衣類の話はともかく・・・。分相応という転義が大事だ。

この国は「身の丈に合った」ことをしている、志している、自覚している。そういう国だろうか。

原発は分相応の持ち物だったのだろうか。地震が多発する国。津波が来る国、海に囲まれた国。
身の程知らずにエネルギーを欲しがり、身の程知らずに科学文明を進歩させ、いや、進歩したと勘違いし。
大借金の予算を作り、なお成長、成長。そのうち成長、身の丈に追いつかないつんつるてんの衣服をまとう事になるは必定。

分不相応。そうだ、みんな大いなる勘違いをしている。豊かでないのに豊かだととの幻想を抱き。

大言壮語するはさておき。

例えばビール。最近のCMでのビールにかかわる投下量は半端じゃない。アサヒ、キリン、サッポロ、サントリー。どこのCMかわからないくらい。同時間、同枠内の“競合”もなんのその。
でね、そのビール。全部が「プレミアム」。なんとかプレミアム。高いビール。
消費税が上がるというのに「高いビール」を買うのが当たり前といった具合。

プレミアム。プレミア。プレミアチケットとは「上乗せされて料金」のチケットのこと。さらには、割増金がプレミアム。

ビールの場合は「高級」ということらしい。なんか、国民全員が「お金持ち」になって「贅沢」しなさいよといわんばかり。

プレミアム、プレミアム。

つい数年前までは発泡酒や第三のビールといった廉価なものが主流だったのに。
そのCMばかりが流されていたのに。

ヱビスが一番高いビールと思っていた。いや、事実そうだった。高級品であり、高嶺の花だった。去年からか。贈答品で出回ったアサヒのプレミアム。ヱビスよりもはるかに高価。

アサヒはあの黒い犬が疾走するビールが主力商品に躍り出ていたのに。10年前は。その製品名も忘れた。

発泡酒から一挙にプレミアムへ。身の丈に合った「とりあえず」なのだろうかなって。

卑近な一例をあげればそんなところか。

なんか身の丈に合わない暮らしがあちこちに。

サラ金CMは減った。投資信託のCMは増えた。

そして何よりも、身の丈に合わない、不具合な仮設暮らしを強いられる「想定外の日常」。

昔、よく言ったもんだ。言われたもんだ。社長でも総理大臣でも、間違ってその地位についてしまっても大丈夫。その椅子に座っていれば、だんだんその地位に相応しくなっていくからって。

しかしだね。身の丈に合わない地位は、身の丈に合わせることかなわずのように思えるのも昨今・・・。

STAP細胞問題で、理化学研究所は「不正研究」は小保方さんの“単独犯”と認定した。小保方さんの“ねつ造”であると。小保方さん、身の丈に合わないことをしたってことかな。

“ねつ造”。最近はいわゆる袴田事件で再審決定の際、裁判長が捜査に対して言った言葉。ねつ造という言葉に反発した検察は抗告した。“ねつ造”は無いということで。
検察の抗告の裏には、検察と言う組織を、何としても防御したいとする「組織防衛反応」が働いているようだ。組織を守るためには「個人」の人権や正義は問題視するに値しないといったような。

理化学研究所という組織を維持し守るために、“単独犯”にされてしまったのではないかな小保方さんは。研究者としては「死刑判決」に等しい。その論文には多くの学者も名を連ねていたというのに。
どこかからの”圧力“もあったのではないだろうか。研究所として多額の補助金を確保するために。

身の丈論の延長線には組織防衛論もあるような気がして。検察も学者の世界も。
これって“無理筋”の話かな。

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