数日前書いた橋本弘喜画伯の「元気」という文字。
それを眺めていた気がついた。彼は写真や画の数々を「元気」という字の中に埋め込んでいるのだ、はめ込んでいるのだと。
そう、ジグソーパスルのように字としての画、画としての字を完成させていると。
人の世のありようはジグソーパズルのようなものなのかもしれない。
「福島」という名の、出来上がっていたジグソーパズルは壊れた。嵌め絵は、それを作っていたピースはことごとく飛散した。
あたり前だけど、住むところを無くした人たち。ギスギスしはじめる人間関係。
かろうじてかどうかはともかく、出来上がっていたパズルが壊れたのだ。
絵描きは、その壊れたパズルのピースを一つ一つ拾い集めて、隙間を埋めて「元気」とう字の画を作った。彼なりの、たぶん、彼は意識していないだろうが、“元に戻す”という作業だったのだろう。
ジグソーパズルとしての福島。若い人たちと話をした。話し合った。
「支援」と「自立」というテーマに絡めて。
「欠けたピースを拾い集めるのには“支援”が必要なのかもしれません。でも、ピースを埋めるのは我々の“自立”としての仕事だと思います」。
素晴らしい答えが返ってきた。
だけど・・・。まだピースを拾い集めることもままならない。
だけど・・・。パズルは完成させなくてはならない。
ピースをはめ込む作業も多難だ。さまざまな形をしているのだから。どこに嵌めるのか。それを探すことすら大変だ。
出来上がったパズル。それは、たぶん、以前とは違った形状になるだろう。色も変わらざるを得ない。
シンボルスカの詩ではないが、「誰かが後片付けをしなければならない。ひとりでに物事が片付いてくれるわけではないから」。
そうなんだよな。
だから「知っている人たちは、少ししか知らない人に道を譲らなければならない」。そう、以前の形状を、ピースのあり場所を知っている人たちは、ほとんど何も知らない人たちに。そういうことだろうか。
パトラッシュ・・・疲れたかい。僕も疲れたよ。少し眠くなったよ。そうも言っていられないかも。
2014年4月18日金曜日
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