前にも書いたと思うが・・・。
一枚の切符を持っている。それは「欲望という名の電車」の切符では無い。
希望を託した鉄道切符。それは300円で売られていた。買った。
釜石発 復興未来行き。
諦めない限り有効。下車前途無効。
3・11釜石復興の祈り発行。三陸鉄道公認。
三陸鉄道は、北リアス線と南リアス線が全線開通した。釜石から盛まで行ける。
北リアス線も久慈から田野畑や宮古まで行ける。
全線開通した列車は趣向が凝らされ、そこには“復興”の声がこだまする。
観光客も多いという。
しかし、両線をつなぐJP山田線は復旧していない。
北、南線が開通したとき、沿線には、駅には大勢の人が集まり、手を振り、旗を振って笑顔で開通を祝っていた。
JR東北本線が開通した時、福島、郡山間か本宮からだったか。
「スマイルプロジェクト」というJRの企画があり、沿線の人たちが手を振り、旗を振り、並んで走り、笑顔がいっぱい振り撒かれていた。
JR東日本企画のアイディアで、たしか大手の広告会社が作ったプロジェクト。
たしかにいい光景だった。
そしてJR東日本は、“復興”の一助にとデスティネーションキャンペーンを実施している。デスティネーションキャンペーン、なんと和訳したらいいのかわからないが。狙いは“観光”のようだ。
今年は福島が、そのキャンペーンの該当地だという。
去年は八重の桜、三陸は、あまちゃん。NHKの番組の威力。
観光、観光。一時滞留の“人口集積”。復興との関連性。よくわからない。
観光客が訪れてくれるのは結構。それなら「永続性」のあるものにしなければ。
八重の桜ブームで、会津にはそこそこ観光客が訪れたと聞く。ドラマが終わった今年はどうなるのだろう・・・。
三陸鉄道。沿線に見える景色。海側はたぶん茫漠たる被害の跡。
通勤、通学、買い物。沿線住民にとっては待ち焦がれていた開通には違いないのだけど。
地域密着の三陸鉄道の復旧に向けた努力は多としたい。それに賭けた熱意も称賛に値する。一歩前進だ。
“復興”なるものの礎かもしれない。
復興、復興、復興・・・。
何をもって復興とするのか、どうなれば復興なのか。
昨夜も若者たちと“復興”について話し合った。
「復興という言葉に何をイメージしているか。一人一人が違う」。それがおおかたの“結論”。
形としての復興、心の復興、人間の復興・・・。様々な観点。
「たぶん、キミたちが生きている間は“復興”という言葉はついて回るよ。だから、それぞれが“自立”した考えを持って、復興と言うことを考えていこうよ」。そう呼びかけてみた。
逆境に身を置いた者の考える復興と、東北に逆境を押し付けているような中央の考える復興。
復興という言葉は一生ついてまわる。そう言った以上、いや、そうだと思うから、一人一人が違うイメージを持っているものだからこそ、それを一致させるのは、一致点を見出すのは至難の業に近いとも思うから・・・。
だから「復興未来行き」の切符は使わない。まだとっておく。抽斗にしまっておく。
その切符が使える日がくることを願いながら・・・。
なんか書きながら、昔見た映画を思い出していた。
「鉄路の闘い」。それはレジスタンスの映画だったはず。
しかし、三陸の“鉄路の男たち”は強いよな。しみじみと思ってみたり・・・。
2014年4月9日水曜日
“チェルノブイリ”異聞
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