2014年4月29日火曜日

きょうは“天皇誕生日”なのだ

昭和生まれの、昭和を約半世紀生きてきた人間にとっては、4月29日は、天皇誕生日なのだ。
親の世代は“天長節”と言っていた。

昭和天皇が亡くなってからこの日はみどりの日と言われ、今は昭和の日。みどりの日は5月4日に移行。かくて「大型連休」なるものが出来上がる。

そして人はそれをゴールデンウイークと呼びならわす。

子どもの頃、家にはなぜかビロウドで装丁された昭和天皇、裕仁天皇の写真集があった。飽きずに見入っていた。

たしかそこには天皇としての裕仁と生物学者としての裕仁が“同居”していたような。
行幸の様子もあった。

昭和という時代を懐古しているわけではないが、もはや昭和レトロと言われるようになった63年間。
戦争を挟んでの昭和という時代。

通常国会の開会式。参院本会議場。毎年、昭和天皇の姿を見、「お言葉」を書いて送っていた。

どうも何々の日という「国民の祝日」というのに抵抗感がある。

その祝日法は建国記念日を決めるときに与野党で相当の混乱があり、なんだか雨後の竹の子のように祝日、休日が増えていった。ハッピーマンデーなるものも登場して。

記念の日は動かしてはならないと思うから。

で、国民の祝日は、元日・建国記念日・天皇誕生日・憲法記念日・春分の日・秋分の日。それくらいでいいのではないかと思う。

成人の日。いまだに成人は何歳をもってするかで議論が交わされている。国民投票は18歳。刑法適用は20歳。

こどもの日。昔は端午の節句といった。いつの間にか男の子の祝日になった。鯉幟を揚げる日になった。

老人は敬われていないのに敬老の日があり、いつも運動している人が多いのにもかかわらず体育の日。それは昭和39年の東京オリンピックを契機に出来た日のはず。

国旗を掲げて祝う日なのか。あげく噴飯なるもの海の日、そして出来るであろう山の日。なにをかいわんやである。

文化の日は明治天皇の誕生日だった。名を変えた。大正天皇の誕生日にちなんだ祝日は無い。

いっそ、祝日では無く、国民の記念日というのも作ったらどうかとさえ思う。
沖縄の日、原爆の日、そして阪神淡路大震災の日、東日本大震災の日というのも。祈念の日として。休日にするかどうかはともかく。

昭和天皇の誕生日。開戦の詔書、終戦の詔書、憲法に記されている御名御璽を思う。
昭和天皇は戦争に積極的ではなかったし、終戦を急がれていたし。質素を旨とした日常生活を送られていたし。

それは今の平成天皇になっても変わらない皇室の姿勢だと思う。

明治維新にさかのぼっても、時の「権力者達」は、なんだかんだと言って天皇を“政治利用”してきたじゃないか。

天皇の意向に背くこともしてきたじゃないか。しているじゃないか。

昭和から平成へ。天皇も変わり元号も変わった。しかし、時代の空気というものはそこに確たる線引きは無い。昭和の延長としての平成という思いすらする。

田中角栄がいみじくも言っていた。「天皇陛下がおられてこの国は助かった」と。
敗戦後、極度の混乱もなかった。騒乱もなかった。3・11でも平成天皇の言葉や行動がどれだけこの国を、称賛される国と印象付けたか。

昭和天皇を懐かしむ。そして平成天皇、美智子妃に限りない尊崇の念を抱く・・・。
平成天皇の在り様が大きな支えになっていることを、なったことに感謝する。

つまらない記念日と一緒に天皇誕生日を並べるのは嫌だ。

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