新聞。何百人の記者が書いた記事を一人で全部読むというのはkが遠くなるような作業だと時々思うのです。読みべき記事もあれば、読む必要の無い物もあるけど。
テレビのニュースで知ったこと。発表物の類は読まないようにしています。読むに越したことはないけど時間が・・・。
朝日新聞南三陸駐在 三浦英之記者。もちろんどんな人か知りませんが。以前にもこの人の記事を書かせてもらいました。コラム 「南三陸日記」。読ませる記事です。
駐在。それが新聞社の中でどういうポストなのかわかりません。支局長でも無ければ支局員でもない。駐在。多分筆致からして若い人ではないだろうと思います。練達の士だと推測します。
きょう掲載されていた南三陸日記 「海くん、待ってるよ」。
志津川少年野球クラブに所属している渡辺海(かい)くん11歳。津波の被害に遭い、一家は20キロ離れた内陸部の登米市に転居した。5月、その海くんの家の引っ越しを三浦記者は手伝っていた。彼に海君は言った。「いつかここに戻ってくるよ。僕の名前『海』だから」。来年、海君は中学校に進む。最後の試合、負けたが顔は晴れ晴れとしていたという。試合後海くんは記者のところに駆け寄り「来年から登米の中学校に行きます」と宣言した。「でも、いつかは戻ってくるよ」あの日と同じ言葉を繰り返した。僕らの約束は続いている。
要旨、こんな記事。いい記者だと思うのです。取材のかたわら引っ越しを手伝い、子どもとの約束を続ける。“ほぼ日いとい新聞”の記者のように。
今月の塾。長渕剛の詩「復興」と取り上げました。自然に意志はあるのかというテーマの導入として。
憎い、憎い、私は 自然が憎い
憎い、憎い、私は 海が憎い
たわむれ 優しく 大きく 父のような海だったのに
怖くて憎くて たまらない 許せない 絶対に許さない
こんなに あなたを 愛して 生きてきたのに
なぜ 海よ あなたは 私たちを壊す・・・
こういう書き出しで始まる1055の字の長文の詩。
長渕が憎いと言った海に、長渕の歌で励まされた海の男たちは出て行く。海を憎いとは言わない。
自然には意志は無いのではないか。自然は人間の生活には無関心であり、自然現象としての動きをしただけではないのだろうか。それが塾生への問いかけ。
塾生から意見が出され、それぞれが自然の所作について思いを巡らしているようでした。
塾では言わなかったけれど、長渕も自然には意志が無いということを知っている。しかし、憎いという言葉で表さない限り、彼の気持ちの踏ん切りがつかなかったのではないかと。
渡辺海くんの話を読んで、また一つ考えさせられました。
そして、詩が一つ浮かんできました。三好達治の詩。
海よ、僕らの使ふ文字では、お前の中に母がゐる。
そして母よ、仏蘭西人(フランス)の言葉では、あなたの中に海がある。
フランス語でmèreは「母」。merは「海」
海(かい)くん、いい名前をつけて貰ったね。
2011年12月13日火曜日
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