2011年12月30日金曜日

年の瀬雑感 その二

多分、今年最後の「仮設」詣で。東京から送られて来た手編みひざかけを持って。到来物の品々おすそ分け持って。

仮設に配られたゼンリンの住宅地図。その地図見ながらの「ふるさと談義」。

「オレのところの村長は立派だぞ。きのう全戸を回って挨拶していった」。どこか誇らしげ。信頼されている様子。垣間見たリーダー像。

そして向けられる永田町への厳しいまなざし。

慣れ親しんだ犬が飛びついてきました。抱かれると「もう放さないよ」ってな具合。この犬はよかった。連れてきてもらえたから。

「強制避難」させられた地域には多くのペットが残されたまま。この寒さ。どうなっているのだろう。それを思うとやり切れない思いの飼い主。

明日夜にはカレンダーを変えるという。年が明けるとすぐ3月がくる。3月は来てほしくないと病み上がりのじいちゃん。
ひざかけ肩にかけてピースサインのばあちゃん。

「原発反対って言わない人は、皆、おいしい思いをしている。森永さんもおいしい思いをしたんでしょ」。俳優の山本太郎。ヒーロー。一部メディアの。テレビ朝日が会う夜福島からやる朝まで生テレビ。それのパネラーにもなっている。

「おいしい思いなんかしてませんよ」。苦笑する森永卓郎。昨夜のTBSの番組。

決め付けての議論、持論。なんだか怖いこの国の今の空気。

「人の心と科学の距離」。きょうから始まった朝日新聞の連載。「リスク社会」にあった言葉。

放射能が列島を分断する。不安は家族をも分かつ。人々は福島を避ける。不安と科学はすれ違う。そして、歴史は繰り返す。この「リスク社会」という特集に断片的にちりばめられた言葉・・・。
天使人語にちりばめられて言葉のいくつか。「放射能もはっきりしてくれ。進む覚悟が決まればがんばれる」。避難している人の言葉。「何でも絆でくくると。収まりのいい物語になってしまう」。作家の言葉。「長期戦に入り、みな疲れている・・・人生はマラソン、頑張らない時間を作り、エネルギーを蓄えたひとが勝つんです」。作家で医者の言葉。そして倉本聡「日本と言うスーパーカーに付け忘れれた装置が二つある。ブレーキとバックギア」。

歴史は繰り返す。
「戦争時、強硬派は戦争を知らない若手が多かった。今こそ昭和と向き合う必要がある時代」。俳優の役所広司の言葉。またも思い出すブスマルクの至言。「賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ」。

絆でくくるな。孤族でくくるな。リスクで括るな。この歳末風景。一つの言葉ではくくれない。いくら言葉を使っても語れない。

読み始めた糸井重里の「できることをしよう」。瓦礫に中を走るクロネコのクール宅急便。川内村を書いた作家、たくきよしひろの「裸のフクシマ」にあったほぼ全村避難の川内村をクロネコのメール宅急便が走っていた。一通のメール便を運ぶために・・・。

普通でなくなった今の社会。だから普通の話が胸を打つ。

“チェルノブイリ”異聞

  ロシアがウクライナに侵攻し、またも多くの市民、日常が奪われて行く。 ウクライナという言葉、キエフという言葉、チェルノブイリ・・・。 そう、あの最大の原発事故を起こした地名の幾つか。 「チェルノブイリ原発事故」。1986年4月26日。 ウクライナの北部にあるその...