TBSの15時間特番、「報道の日」を見ていました。
あの津波の様子は言葉では伝えられない。言葉では言い表せられない。
番組の構成がどうだ、出演者がどうだと言うことは問題ではない。
これまで、何回も見た映像もあるけれど、こうやってまとまってあの日の映像を見ると言葉が出ない。
テレビと言う物が「進化」をとげ、テレビのみならず個人がビデオカメラを持つようになった時代。携帯電話で動画が記録出来るようになった時代。
集められた映像の力。そこから人はあらためて何を感じとるか。記憶を呼び覚ますことも必要かもしれない。見ない方がいい人もいるかもしれない。
今の時代に起きた今の時代の惨事。
時には冷徹にさえ見える映像だが、見ながら覆われてくる無力感、脱力感。
あの日の数日間は興奮状態にあったと思う。あの時と今とでは伝わり方が違う。
あの映像の前では、ともすれば思考停止に陥る。逃げる。そのことしか出来ることが無かったという事実。
「防潮堤がなんだい」「防波堤がなんじゃい」。カメラを回しながら叫ぶ男性の声がすべてを物語っているような。
取材に行った記者もカメラマンも、本社で見ていたデスクもその他の局員も。自分たちの「仕事」についてあらためて考え入ったはず。
「その後」の報道についてはいろいろ論議がある。しかし、テレビに映し出された映像は、どこかで“編集”という手が加えられていたとしても、事実の断片を冷酷に物語っている。
2011年3月11日。あの日がどういう日だったのか。
映像がよびさまさせてくれる記憶。見ていなかった事実。さまざま、映像の力を思う。伝えることの大切さを思う。
クリスマスだから思うのか。あの地震、津波は決して神の仕業ではないと。神の業にしては、もちろん聖書の記述にはノアの洪水やバベルの塔の“逸話”が記されているけれど・・・。
映像を前に語るべき言葉を持たない、持てない。あの事実だけは風化しない。
“チェルノブイリ”異聞
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