いうまでもなく、福島県の最大の問題は除染。課題も除染。除染なくして次の一歩が始まらない。
「除染ビジネス」という言葉が毎日登場する。ビジネスとは事業という事だろう。昔は一時、サラリーマンがビジネス満と呼称されたし、スーツ姿はビジネスマンルックとも言われた。
いつの頃からか、起業という言葉がはやり、ITビジネスなんていう言葉が生まれ、それらの人達は一夜にして大金持ちになったりして。それからかどうか、ビジネスという言葉にはその裏に「金儲け」というイメージが付きまわってくるようになった。
メディアも好んで「ビジネス」という言葉を使う。事業とはなかなか言わない。
除染ビジネス。だから、除染に名を借りた金儲けと受け止められかねない。いや、実際にそういうのもある。
楢葉町の中心部の除染作業。環境庁の事業。入札の結果、前田建設工業というところが落札。1,650万円。大手ゼネコンの大林組は1億2千300万、大成建設は2億7千7百万での応札。環境庁は問題ないと判定したというが、この金額の開きは何だろう。
いわゆる警戒区域などの除染はおおかた全国区の大手ゼネコンが、例えば郡山は地元の建設業者などにという構図が出来上がっているらしい。
大手が受注した除染事業。人の手当からはじまって、下請、孫請けと行くはず。雇用にむすびつくのかどうか。いや、それ以前にちゃんとした除染が出来るのか。この落札価格に地元の業者は首をかしげる。
「いや。最初はこの価格でやって、あとの事業をどんどん受注し、トータルで儲けってことじゃないかな」と見通す人も。
南相馬市、大手のゼネコンのJVに全域一括除染作業発注。400億円。ここは自治体が主体となって発注。費用は国に請求という仕組み。森林にまで及ぶというが。
うまくいってくれればいいのだが。もう高圧洗浄機の除染は効果無しと判断されるに至っている。特殊技術がないと除染はうまくいかないらしい。
良い意味でも悪い意味でも除染ビジネスは進行する。
「ビジネス」の食い物にならないこと祈るのみ。
岩手、宮城でも「復興ビジネス」というのが取りざたされている。そして、自然エネルギービジネス。再生可能エネルギービジネス。エコビジネス。大震災を契機にいろんな「新しいビジネス」が誕生している。
ビジネスには金儲けがつきものか。岩手・宮城の瓦礫。東京都と島田市がその処分、処理を受け入れた。さっそく反対運動渦巻く。
あげく、「産廃受け入れは、その裏で多額の収入が業者に入り・・・それが・・・」のような訳知りの報道も。たしかに産廃ビジネスは活況を呈しているらしい。知人の業者も言っていた。
被災者の感情からすれば、瓦礫処理で多少の“不透明なカネ”の流れがあったっていいじゃないかと。処理しないと何も始まらないと。
一部メディアは「処理」には目がいかない。“不透明”だけ暴こうとする。それが正義だといわんばかりに。
災後のビジネスをいろいろ考える。
2012年2月3日金曜日
“チェルノブイリ”異聞
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