続きもの。もしかしたら“業界用語”かもしれない。連載記事、企画、シリーズもののことを指して新聞ではこう呼んでいる。
朝日新聞では、去年からかなりの長期にわたって「原発」に関する続きものが載せられている。
「プロメテウスの罠」と「原発とメディア」。
プロメテウスとは言うまでもない。ギリシャ神話に登場する火の神。人類に火という“文明”を与えた神。それが罠だったという譬え。言わずもがな、原発のことを指している。
このプロメテウスの罠、先日からは福島県の話題に入った。「原始村に住む」。今日で6話目。「原始」と「原子」をかけたのか。川内村の漠原人村の話で始まったのが、高知にいるもと元東電作業員の話に。どういう展開になるか・・・。F1の内部に詳しい10年前に東電やめた木村俊雄の“証言”。
驚くべき東電の虚偽体質、隠ぺい体質。そのまま受け取るか、フィルタリングして読むかはそれぞれの勝手。
なぜ、今、暴くのか。暴露、内部告発するなら、10年前にやってほしかった。
していたのかもしれないが、誰もとりあげなかったのかも。
先日までの話は官邸の5日間。その“狼狽ぶり”を当時の関係者の“証言”をもとにまとめていたが、受けた印象。かなりの「菅擁護」「東電・保安院への批判」。
公式な議事録無いのに、民間による議事録もどきとも。多分、そのうち本になるだろう。
年賀状。亭主は去年から勝手に「御遠慮」を願いでているが、旧知の朝日新聞記者から便りがあった。そう、もうこの20年以上も賀状交換だけの間だったが。その賀状にあった添え書き。「続き物で苦労しています」。それが何だったわからなかったが、最近気付いた。「原発とメディア」の執筆者になっている。
編集委員 川本祐司と署名入りで。以前は違った記者が綴っていたようだが。
朝日新聞が原発とどういう姿勢で取り組んできたかといういわば「自己批判」記事。データベースから過去の記事や社説を引っ張り出してきて、すでにOBであろう先輩記者に取材して書いている続き物。読み甲斐はある。
朝まで生テレビのことも書かれていた。そうだ、20数年前、彼はテレビ担当だった。
そして驚く。社内政治も含めて、新聞社のありようや論調。当時の認識に。
そして意地悪く思う。プロメテウスの罠は新聞社に仕掛けられていたのではないかと。
東電の「真実」。たぶんそれは未来永劫わからないかもしれない。
きょうもF1、2号機の水温上昇が伝えられている・・・。
またも駄弁弄した心境にて。
2012年2月12日日曜日
“チェルノブイリ”異聞
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