期待が大きかった時、それが裏切られると、失望は倍になる。
これは、今の民主党政権にあてはめてみれば自明の理。鳩山の普天間発言から始まって、原発事故後の菅の“置き土産”。それの域を出られない野田・・・。
中間貯蔵施設の建設予定地がきのう、やっと“公式”に明らかにされた。原発隣接地域に。細部はともかく予想されたこと、県や関係町村にはそれなりに根回しもあったことだと思うけど。
発表する細野環境相の表情は苦渋に満ちていたようだった。これまでに見えていた自信満面の表情はなかった。やつれているように見えた・・・。
矢面に立っている彼の心中を聞いてみたい。真意を聞いてみたい。
とにかく、国が打ち出す方針は、場当たり的であり、タイミングの逸したことばかり。事故直後のさまざま含めて。
戦後に匹敵する災後。この国がこわれるかもしれないという瀬戸際。中央の官僚たちは相変わらずの縦割り行政のしがらみにしがみつき、省益を優先させている。
各省庁を束ねているはずの官邸は機能不全のまま。
つい先ごろ、避難区域の見直しがあった。楢葉町は計画的非難区域になり、出入りは自由になった。とされる。
もしかしたら自分の家に帰れるかもしれない。疑いの目を持ちつつも、それを期待した人もいる。
その楢葉町の一部も中間貯蔵施設の建設現場にされている。
期待は裏切られた。
町民はそう思ったに違いない。わずかな期待も裏切られたと。普天間がそうであったように、住民感情を逆なでするやり方は、問題解決を至難のことにする。
もった早く出来たはずだ。中間貯蔵施設の建設予定地を示すことは。先送り、棚投げのつけ。
中間貯蔵施設。中間なんて言いたくない。そこはたぶん永久保管場所になるのだ。国中のどこを探したって最終処分場を引き受けるところなんか無い。
30年後・・・・。1年先の戦略を描けないものがどうして30年後を言えるのだ。
仮の町。やめようよ小細工。仮の町をだれが永住の場と思えるのか。そこは“無人地帯”とし、完全移転するしかないと誰もが思っているはずなのに。「仮」を言って当面を糊塗しようとする。
きのうも福島県知事の顔は見えない。いや、顔を見た。テレビで、HISのCMで笑っている姿を。馬鹿か。
コメントとして書かれていたのが「白紙」。国と当該町村との橋渡し。そこにはリーダーとしての知事の姿はみじんもない。国の方針はわかっていたはずだ。それにどう対応するか考える時間もあったはずだ。でも、唐突に言われたような芝居をして。
事故後の県の失態を取り上げたらキリがない。でも、いま、この県が置かれている立場は十分承知しているはずなのだ。
覚悟を持って、県民に対して本当のことを言うべきなのだ。でも、それはあり得ない。たぶん、国も県に対して、県知事に対して、相当の嫌気がさしているようだ。
県民の多くが抱いている「あきらめ」。それを助長させているのが、県知事だということ。
福島県民は、誰に、何に期待を持てばいいのか。繰り返される期待と裏切りの日々。
2012年8月20日月曜日
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