きのう、悲しく聞こえると書いた汽笛が、きょうは希望の音のように聞こえました。
JR東日本沿線スマイルプロジェクト。その福島編。SL福島復興号がちょうど、一月前、郡山と福島の間を走りました。
JR東日本仙台支社の企画とか。すでにJRでは去年、石巻線や陸羽東線でこのSJ企画をやっています。
福島編。5分34秒の動画。「SLに手を振ろう」。郡山駅を大勢の人に見送られたSLは煙を吐きながら、東北本線の線路を福島に向かって走る。車内には子供たちが。沿道には多くの人達が、思い思いのメッセージを掲げ、傘を踊らせ、風船をなびかせ、ただひたすら手を振る、共に走る、声をかける・・・。
沿道に集まった人達は、事前にJRがチラシで呼びかけていた地元の人達です。
沿線沿いには仮設もある。
とにかく皆が手を振って喜びの声を挙げている。それに汽笛が応え、機関士は白いハンカチで声援にこたえる。
この動画は最初、公開されてすぐ、塾生の一人がメールで知らせてくれました。
「泣けますよ」と。
大阪にいる友人も、彼のサイトで紹介していました。「泣きました」と書いて。
きょうは福島の民放テレビが紹介していました。そして、フェイスブックに友人の息子が貼り付けていました。その動画を。
何回見てもいいのです。美しいのです。人も景色も光景も。
美しいものは美しいのです。沿道のメッセージが素晴らしいのです。ありがとう~から始まって、ここにスモウとか・・・。
SL蒸気機関車。いろいろな思い出があります。そして思い出した「鉄路の闘い」というフランス映画。ナチスドイツに抵抗した、鉄道員たちのレジスタンス運動を描いた映画を。
沿道の住民たちも喜んだでしょう。励まされたでしょう。そのSLを運転した人達にとっても忘れられない感動を覚えたでしょう。鉄の男たちの意気込み、鉄路の闘い・・・。
くだらない話ですが、ネットに頻繁に登場する書きこみ。「なんでJRは東北新幹線を運転するんだ。汚染された地域に新幹線を走らせるのだ」。JRにも“苦情”が寄せられているそうです。
そんな「馬鹿」がいるということ。それを“拡散”させるアホがいるということ。鉄道マンにしたら、ある意味、もちろん無視した上での、世の風潮に対するレジスタンスなのかも。
福島県に住むものとして、毎日、嫌な事を聞き、嫌な言葉を見ています。いいんだ。100の嫌な事があっても、一つだけでもいいこと、美しいことがあればいいのだ。
がんばろう福島という垂れ幕もありました。いいんだよ、頑張ろう福島はもういいのだ。頑張らなくてはいけないのは「日本」という国なのだ。福島県からは全国に向けて発信すればいい。「がんばれ日本人」と。日本人であることを忘れたような日本人の心を失った人達を覚醒させるために。
下記のURLにアクセスしてみてください。きっと見られると思います。URLが無理なら「JR東日本沿線スマイルプロジェクト」で検索してみてください。
そこに、7月のある日の、普通の福島県人がいることを、ちょっとだけ思ってみてください。一緒に泣いてみてくれたらうれしいかも。
http://www.youtube.com/watch?v=6ND-IA8MTyU
2012年8月28日火曜日
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