武蔵大学の教授に知り合いがいます。武蔵メディアと社会研究会というゼミやっているのか。とにかくメディア関係学部の教授。その人はネットを使って知り合いにメールを送り、テレビに関する「評価」をずっとやっています。
もう何年もやっているようですが、3・11の後も通常通りの「評価」依頼が来たので、つい「くだらんテレビの評価に付き合ってる状況じゃない。評価基準も通り一辺倒だし」とやんわり拒否しました。
今回送られて来たのはオリンピック放送に関する評価。番組構成が適切かどうかとか、演出がどうとか、映像技術がどうか、画面が見やすいとか、解説者やゲストの人選まで、たくさんの項目への5段階評価。
5段階評価は、昔の通信簿風。おとる、ややおとる、普通、ややまさる、まさるって感じの。
ま、自分が見た番組の評価を多少の時間使って協力すればいいのだけど。
そのメールに書かれていた一行。「あたなの一言がオリンピック放送を変えるかもしれません!」。
この「評価」、そんなに影響力あるのかな。あまり的を射ていない単なる学生用の研究資料なのだと思うのだけど。
「あなたの一言が、変える」。いきなり官邸前のデモの雰囲気に引きづり込まれたような気がして・・・。
この「評価」に参加するかどうかはともかく。
オリンピック放送を見ていて腹が立つこと。民放は、タレント総動員。相変わらずジャニーズにはじまってサンマや誰やら。ロンドンに同行。インタビューもさせて。女子アスリートもジャニーズには弱い。見てる方には果てしなき違和感。タレント使ったスポーツ放送のあのたまらない騒がしさ。
NHK.アナウンサーが基本的にはやっているんだけど、余りに多い「間違いの数々」。にわか仕立てのスポーツキャスター。名前は間違える、競技種目は間違える、呼称間違える。スラスラ喋れない。ここでも興味半減。で、実際の競技だけしか見ない事に。
かつてアナウンサーによく言ったこと。「自分の目で見たこと、経験したこと以外は、なかなか自分の言葉では喋れないものだよ。休みの日には福島県内を全部見ておいで。そこで、だれでもいいから顔見知り作っておいで」。
地名の読み間違いはそこを知らないから、記者の書いた原稿だけ読んでいるから起きること。自分がそこを知っていれば、その地名を言う時、そこの光景が多少は浮かぶだろう。例えば飯舘。行ったことあるかないかで、その読み方に気持ちが入っているかいないかが分かる。
この例え、オリンピック放送にも演繹してください。多少なりともその競技に対しての知見を持っているかどうか。
オリンピック競技。映像はほとんど「国際映像」。映像の優劣を論じてもはじまらない。放送に携わる、喋る人達の素養の問題と。
そんな思いを一瞬吹き飛ばしてくれたのが、水泳、男子400メートルメドレリレー後の選手インタビューで松田選手が言った一言。これは凄い。涙出た。
「北島選手には話していないけど、あとの3人で話しあった。北島さんを手ぶらで帰らすわけにはいかないと」。北島の胸に輝く銀メダル・・・。
こんな一言は世の有り様を変える。
原発問題をめぐるパブリックコメント。なんだいそれって。政府が始めた原発割合をめぐる「討論型世論調査」。その結果は生かされるのかい。単なる「アリバイ作り」なんじゃないかとの大いなる疑念。
一つの集団や塊の中で出てきた声が、世の有り様を変えるとも思えない・・・。
声をあげること。それはいわずもがなだけど。勘違いしている人も多い。テレビにも勘違いが連日。お願い、まだ若いアスリートをタレント扱いしないでね。
あなたたちは所詮一過性なんだから。
2012年8月5日日曜日
“チェルノブイリ”異聞
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