共同通信から昨日配信された記事。少なくとも河北新報には載っている。
「健康被害ない」と広報を 爆発直後、福島県が東電に要請か
こいう見出しの記事。要約すると・・・。
1F3号機が3月14日に水素爆発を起こした直後、福島県が東京電力に「健康被害の心配はない」とする文言を記者発表の資料に記載するよう要請していた。これは東電が報道関係者に公開している社内のテレビ会議の録画映像で分かった。
東電広報班が福島事務所からの依頼として「3号機の爆発に関する発表文に、福島県知事から、『いま北西の風が吹いており、観測された放射線量から健康に被害が出る心配はない』という文言を入れてほしいという話が東電本店の非常災害対策室に連絡があった」というもの。
東電の対策室は健康被害に言及することに難色を示し、心配ないと言い切るのはリスキーだと指摘、「官邸に福島県知事からこういう意見があったと伝える」というような回答をした。結局報道発表はされなかった。
要旨は以上。あの日も風向きは変わっていた。スピーディーの予測データでも明らか。
慌てて県紙を見る。この記事は無い。共同通信から配信されていることは間違いないのに。
この記事をどう見るか。共同通信の“誤報”なのか。録画の見間違いか。それも一つの見方。でもそれはちょっとあり得ない。
とるにたらない配信としたのか。もっと細かいやり取りや、理解の仕方の齟齬があったのか。
なんにしても、その時の風向きは西風だったとしても・・・。
問題は「県知事が東電に対して報道発表文の内容に注文したこと」。これが事実なら、県知事も県も放射線の拡散予測を“隠そう”としていたようにも読める。
爆発後の県の対応。さまざまな検証をみても、そこには多くの問題点が存在している。避難の問題に関しては特にそう。
原発立地県であり、知事いか県の職員は原発に関してそれなりの知見や対策を持っていまければならないはず。
健康被害が無いと言うなら、自分たちが言えばいい。なんで東電に言わせようとするのか。
少なくなくとも、亭主から見ても“指弾”されるべきことだと思うのだが。
県が、この報道に対して、記事に対してどういう対応、反応をしているのかは、いまのところわからない。黙殺するのか。
共同通信に他意はあるまい。しかし、この記事によって、去年よく言われていたことの一つにある「県の人口を減らしたくないから、線量をごまかしているとか、被害を隠そうとしている」とかのデマが、またぞろ生き返ってくるのだ。
この記事に対してさまざまリテラシー力を働かしてみても、「県の対応はおかしい」とう問題点だけは消えない。
政府の対応や東電の対応に対して、多くの県民は怒りの声をあげ、不信感をより強くしている。しかし、“敵は本能寺にあり”、“身内”にもあったという見方。
国会事故調の報告書でも、さまざま県の対応のずさんさが指摘されてはいるが、まさかここまでとは・・・。
健康被害の多寡の問題ではない。健康被害を受けた人はほとんどない。結果的には。
あらためて、知事を筆頭にした、県への検証、そして、そのやってきたことへの真摯な批判が必要なのかとも。
2012年8月9日木曜日
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