2012年12月17日月曜日

今年の漢字は「消」だ

昨日行われて選挙。相変わらず「バンザイ~」を繰り返す当選者。古い事が消えた今、古い事を言うようだが、「万歳」とは天皇陛下を讃えるもの。
解散の時の万歳は、それが“天皇の行為」として(もちろん形だけだが)、そう記された憲法に規定によって、紫の袱紗に包まれた天皇の「詔書」が読み上げられることからくるものだから、そこに天皇が存在するから、ま、これを国会議員がどこまで理解しているかはともかく、まあ、許そう。

選挙で当選した人の事務所で行われる万歳の違和感。それだけを抽出して放送に載せるテレビの安易さ。画になる光景として。「万歳中継」、テレビ局の常套語。

今度の選挙結果、一番うまく的を射た言葉で語ったのは、小泉進次郎。その一語に尽きる。
この3年間で自民党が変わったから支持されたのではない。民主党がひどすぎ、新党が新党に見えなかったから。自民党こそ、新党として出直すべきだ」。

古い自民党は消えろと言っている。

民主党は「消えた」。政界の勢力地図として。他にも消えたに等しい政党がある。そして、要職にあった人達も、ことごとく消えた。

かつて「民主党解党の勧め」を書いた身、それに伴って政界再編成も言ったが、自民の大勝のもとではそれもないだろう。

3年前の政権交代。風が吹いた。今度も風は揺り戻しとなって吹いた。吹いた風は気ままだった。自壊作用をもたらし、自民への風となった。
なぜかマスコミは、風は吹かなかったと書くのだろう。彼らの言う“風”とは何だったのだろうか。

議席が消えた、増えただけでは今度の選挙は語れない。

投票率59,3%。戦後最低。多くの有権者が投票所から消えた。

政治への関心が消えた。無関心層が増えたということ。それが意味するものは何か。

自分達は無関心であり、嫌気がさしていたとしても、どこが政権を取っても変わりはないと決め込んでいても、政治はその人たちをも放っておかないのに。

そして、政治から「福島」が「被災地」が消えたような気がする。

昨夜来、当選した人達に無理やり語らせる「福島」は余りにもこころもとない。
具体的に言及した人をみない。語れないのだ。

その政党への“信頼”はともかく、反原発、脱原発への風は消えたに等しい。

福島県からは比例復活を含め、9人の国会議員が誕生している。せめて、彼らは党派の枠を超えて、それこそ、「福島を取り戻す」と言ったような院内会派でも作らないだろうか。

有権者の60%にも満たない「民意」。小泉の言を借りるなら、自民支持は積極的支持ではなく、消極的支持である。ここにも「消」の字がある。そして、消去法による第三極なるものも含めた投票。ここにも「消」の字がある。

政治の舞台から「福島」が消されることを畏れる。

そして消えないであろう、猟官運動がすでに激しさを増しているという。

「消」と言う字に変えるべき今年の「漢字」と。

選挙結果をまだ「消化」出来ないでいる。

“チェルノブイリ”異聞

  ロシアがウクライナに侵攻し、またも多くの市民、日常が奪われて行く。 ウクライナという言葉、キエフという言葉、チェルノブイリ・・・。 そう、あの最大の原発事故を起こした地名の幾つか。 「チェルノブイリ原発事故」。1986年4月26日。 ウクライナの北部にあるその...